2022 Fiscal Year Research-status Report
PCR検査検体前処理自動化システム用柔軟把持デバイスの開発
Project/Area Number |
21K12753
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山本 郁夫 長崎大学, 海洋未来イノベーション機構, 教授 (10392953)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
盛永 明啓 長崎大学, 工学研究科, 助教 (20781008)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | PCR検査 / 検体前処理自動化システム / 柔軟把持デバイス / ロボットハンド |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、コロナウイルスPCR検査において、唾液等の検査検体からコロナ感染の陽性、陰性の判別を大量に短時間で行わなければならない状況にある。PCR検査においては、検査用容器に検体と不活性化用溶解剤を注入する検体前処理工程を行う必要があるが、従来人手による作業のため、作業効率、安全性、標準化の観点から工程自動化が必須となっている。しかし、様々な検体回収容器の形状に合わせて安定して把持しセットアップ等の作業ができるロボットハンドがなく、自動化ができない状況にある。そこで、PCR検査でボトルネックとなっている検体前処理工程において、検体容器の形状に合わせて柔軟把持できるロボットハンドを開発し、PCR検査前処理自動化装置に組み込んで自動化実験検証を行う。これにより病院から搬送される様々な形状の検体回収容器を検査装置に自動でセットアップできるシステムが確立でき、PCR検査の完全自動化が実現する。 以上の研究概要を踏まえ、PCR検体容器形状に合わせて把持できるように、柔軟な機械メカニズムを有するハンドデバイスの設計を生物運動型水中ロボットの鰭2枚を応用した機構にて行った。併せて、検体容器の仕様およびPCR検体前処理自動化装置試験機の検討を行った。柔軟把持ハンドデバイスを設計して、PCR検体前処理自動化装置に組み込んで、シリンジにて検体吸収処理後、検体容器を再度把持してごみ箱に廃棄する一連のロボットハンド作業シーケンスを円滑に行えるシステム検証結果を論文にまとめ、SCI国際ジャーナルScience Progressに投稿し、採択掲載された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
柔軟な機械メカニズムを有するハンドデバイスの設計製作、ハンドデバイス内部の磁性流体等内部流体による容器押し付け制御機構の開発を総括し、柔軟把持ハンドデバイスを製作して、PCR検体前処理自動化装置に組み込んで、直径が異なる検体容器が検査に運ばれた折、順次PCR検体前処理自動化装置に容器を設置し、シリンジにて検体吸収処理後、検体容器を再度把持してごみ箱に廃棄するロボットハンドを開発し、一連の作業シーケンスを円滑に行えることを実験検証している。 令和4年度に柔軟な機械メカニズムを有するロボットハンドの本体設計と試作を行い、ロボットハンド作業シーケンスのPCR検体前処理自動化装置への組み込み検討の成果をSCI国際Journal Science Progressで発表した。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度はロボットハンドの細部構造の改造を行う予定。令和5年度も現場適用を踏まえてロボットハンドの設計と製作を実施し、PCR検体前処理自動化装置に適用、実験検証を行い、最終的に検査現場に活用できるものを開発する。
|
Causes of Carryover |
本年度、既存の設備を利用できたことで研究に必要な設備を購入せずに済み、翌年度以降に予定していた国際ジャーナル論文発表を早めに行ったが総額として使用予定額が予算を下回った。次年度以降に予定しているロボットハンド細部構造の改造にも必要と思われる器具および物品の調達が見込まれるため、繰り越し分を充当する予定である。
|
Research Products
(1 results)