2022 Fiscal Year Research-status Report
高度架橋ポリエチレン製人工股関節の超長期耐用性の実現を目指した材料設計の至適化
Project/Area Number |
21K12758
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
立岩 俊之 東京医科大学, 医学部, 講師 (00424630)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 康仁 東京医科大学, 医学部, 助教 (60567668)
宍戸 孝明 東京医科大学, 医学部, 教授 (70266500)
正岡 利紀 東京医科大学, 医学部, 准教授 (70256270)
山本 謙吾 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (10246316)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 人工股関節 / 超高分子量ポリエチレン / 耐摩耗性 / 抗酸化性 / 耐疲労性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人工股関節全置換術(THA)用インプラントである超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)寛骨臼ライナーを対象に、抗酸化・耐摩耗・耐疲労性の3つの視点で各種物理化学的耐久試験を実施し、これらの知見を統合することでポリエチレン人工股関節のミクロ構造からマクロデザインまでを定量的に至適化することを目的としている。 2022年度は、ASTM F2003に準拠した強制酸化試験(70℃, 5 atm)を最大18週行い、赤外分光およびラマン分光法を用いた微細構造分析を経時的に実施した。対象は、抗酸化ビタミンE(dl-alpha-tocopherol)含有量が異なる(0, 1000, 3000, 7000 ppm)高度架橋UHMWPE(n=各3個)とした。 結果は、ビタミンE無添加のUHMWPEでは、2週目以降からシグモイド状に酸化度が急増し、酸化反応が連鎖的に生じていることを確認した。さらに酸化反応に関連したトランスビニレン濃度の増加および結晶化度の増加を認めた。一方、1000 ppm以上のビタミンEを含有した製品では18週後も酸化は非常に軽微であり、いずれも初期構造を保持していた。ビタミンE濃度が高く、トランスビニレン濃度が低いほど抗酸化能は高い傾向が見られた。トランスビニレン濃度低減のためには、架橋時の放射線源として電子線よりγ線を採用し、線量は必要最低限に留めることが有効であると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本事業の遂行において現時点では予期せぬ事態は生じておらず、当初予定通り人工股関節インプラントの各種物理化学的耐久性試験およびその後の分光評価を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、人工股関節インプラントの耐疲労性に着目した各種試験を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
光学機器の交換やその他保守点検や追加サンプルの購入など高額な支出が必要になった場合に備えて、次年度以降の研究の遂行に支障が出ないよう一部の研究費を繰り越すこととした。使用計画としては、対物レンズ、固体レーザー、ポリエチレンライナーなどの購入費用や光学機器のメンテナンス費用に充てる予定である。
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