2021 Fiscal Year Research-status Report
GVHD治療用MSCの品質評価を目的とした新規バイオアッセイ法の開発
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21K12767
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Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
草川 森士 国立医薬品食品衛生研究所, 再生・細胞医療製品部, 主任研究官 (80462802)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / T細胞 / 混合リンパ球反応(MLR) |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、重症急性移植片対宿主病(GVHD)の治療に用いられる間葉系幹細胞(MSC)の有効性(免疫抑制能)を簡便且つ高精度に評価するための新規バイオアッセイ法の確立を目的とし、混合リンパ球反応(MLR)試験の改良に取り組んでいる。 令和3年度は、 研究計画におけるMLR試験の改良案の一つである、モデル細胞(T細胞モデル、ポジコンとなる被検細胞モデル)の設定に着手した。それに際し、まず、従来のMLR試験で用いられているT細胞増殖評価法を一通り立ち上げた。その一環として、ELISAによるヌクレオシド・アナログ(BrdU)を取り込ませた細胞分裂の評価系、さらに、フローサイトメーターによる蛍光標識細胞の分裂評価およびT細胞マーカー(CD3、CD4、CD8)の発現解析の系を確立した。 次に、MLR試験に利用可能なT細胞モデルのスクリーニングを行った。各種T細胞株を入手し、培養条件の検討と薬剤によるTCR刺激に対する応答性の評価を行った。その結果、不死化T細胞(ヒト、マウス)は、培養が困難(操作が煩雑、培地が高額)であり、増殖性が不安定であったため、利用を断念することにした。一方で、白血病等血液疾患患者由来のヒト細胞株からは、無血清培地を用いた培養でも一定の増殖を示し、さらに、PHAやPMA+IonomycinによるT細胞受容体への刺激に対し、高い増殖反応を示すものを複数選抜することができた。また、一部の細胞株についてはGFP安定発現株を作成し、GFPの発現を指標とした細胞増殖反応をイメージングで評価できるようにした。 続いて、これらをMLR試験におけるT細胞モデル細胞株として暫定的に用い、MLR試験における被検細胞モデルの評価を行った。その結果、MRC-5(線維芽細胞株)がT細胞モデル細胞の増殖を抑制することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
混合リンパ球反応(MLR)を評価するための従来法を導入、確立するとともに、MLR用モデル細胞のスクリーニングを進めた。その結果、MLR試験に利用可能なT細胞モデル、ポジコンとなる被検細胞モデルの候補も複数見出すことができた。モデル細胞については、遺伝子改変を施し、MLR評価用としての最適化も進めている。また、次年度実施予定であった新規培養系の予備検討にも取り組み、データ蓄積を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度は、引き続きMLR試験に利用可能なモデル細胞の探索を続けると共に、MLR試験における培養法の改良として、市販の培養添加剤を添加する培地を用いる新規培養系によるMLR試験の条件を検討する。被検細胞モデルとT細胞モデルとの共培養における、細胞密度、細胞数の割合、培養期間、培養添加剤の濃度などを検討し、新規培養法によるMLR試験としての最適な条件の確立を目指す。 また、それらと併行して、細胞分裂に伴い蛍光タンパク質を発現する新たなT細胞モデルを樹立し、蛍光発現量を細胞増殖の指標として、イメージング機器で解析する手法についても検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ渦の影響により、物品の納期の目処が立たないものがあり、年度内納入不可のものについては購入を断念せざるを得ず、次年度に改めて注文することにした。その結果として次年度使用額が生じる形となった。 これらは全て次年度の物品費として利用する予定である。
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Research Products
(1 results)