2021 Fiscal Year Research-status Report
Construction and demonstration of uroflowmetry using a bath scale and LPWAN
Project/Area Number |
21K12784
|
Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
藤田 徹也 富山大学, 学術研究部芸術文化学系, 准教授 (70238575)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 尿流量 / 排尿曲線 / LPWAN / IoT |
Outline of Annual Research Achievements |
泌尿器科の患者にとって、非接触での尿流量(尿量・尿の速度)の記録を自動化するニーズは高いが、高価な尿流量計は家庭では容易に利用できない。本研究では、体重計を用いた排尿曲線の測定方法を確立するとともに、立位排尿データを患者および医療機関にオンラインで提供できるIoTシステムを、LPWAN(特定小電力無線ネットワーク)を利用して実用化することを目的としている。今年度は、システムを構成するLoraWANモジュールおよびLoraWANルータの基本的なソフトウェア開発、および体重計と尿流量計による同時計測を実施した。 システムの開発に関しては、疑似排尿時の体重測定データを、Blutooth・LoraWanおよびインターネットを介してIoTクラウド(ThingSpeak)に送信・保存することが可能となった。併せて、プログラミング言語Processingを用いて、このIoTクラウドからデータを取得し、日時を指定して原データおよび移動平均の差分に基づく排尿曲線を表示するシステムを作成することができた。 また、排尿曲線の算出アルゴリズムを改善する目的でポータブル尿流量計Freeflowを購入し、体重計と尿流量計による同時計測を実施した。その結果、疑似排尿時の体重曲線から算出した排尿曲線と、尿流量計による排尿曲線との間では、排尿量、平均尿流率、最大尿流率に関して概ね良好な一致が見られたが、体の動き等により体重計による測定値が大きく変動する場合は排尿曲線も乱れ、尿流量計のデータと一致しないケースも見られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は計画の初年度として、Bluetooth体重計による擬似排尿時の測定データをIoTクラウドに蓄積し、利用するシステムの作成に成功したため、システム開発の面では、おおむね順調に研究を実施できていると考える。 一方、体重計と尿流量計による同時計測により、排尿曲線の算出アルゴリズムを改善するため、体重計のデータのノイズ除去に取り組んだが、体重変動が大きい場合にも対応できるアルゴリズムの確立には至らなかった。このため研究全体の進捗状況としては、「やや遅れている」を選択した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、体重計による排尿データによって、より正確な排尿曲線および排尿量、平均尿流率、最大尿流率の主要パラメータが算出できるよう、引き続き排尿曲線の算出アルゴリズムの改善に取り組む。 また、Bluetooth通信部分とLora通信部分を一体化した電子回路を制作し、モジュール完成後、本システムをトイレ等の実際に使用される環境に設置して試験的運用を行い、可用性・耐久性等を検証する。 さらに、開発した尿流量測定システムを使用し、男性被験者を対象として、研究機関・医療機関・被験者宅等で排尿の測定を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
今年度は尿流量計一式を導入した。また、システムの開発に必要な電子機器類や接続ケーブル等を購入した結果、残額が発生した。 この経費は、今後予定している実証実験用の機器の購入費として充当する予定である。
|