2021 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of exercise tolerance with low-intensity exercise using wearable devices
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21K12787
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森田 瑞樹 岡山大学, ヘルスシステム統合科学学域, 教授 (00519316)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
頼 冠名 岡山大学, 大学病院, 客員研究員 (40729092)
森本 美智子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (50335593)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ウェアラブル機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,医療機関における臨床検査としてではなく,日常生活の中で運動能力(ここでは「運動耐容能」とする)を評価できる方法の確立を目的とする。このための要件として,歩行などの強度の低い運動において運動耐容能が評価できること,医療機器ではなく一般に普及したウェアラブル機器を用いて測定・評価ができることを挙げた。運動耐容能の評価は高強度の運動で行われているが,この結果は運動強度に依存する。そこで,低い強度で運動耐容能を評価するには,①運動強度に依存しない指標を発見して運動耐容能を評価するという,②運動強度や運動の種類を同時に測定・推定して運動耐容能を補正するという,という2つの戦略を考えた。前者によるアプローチを試み,それが困難だと考えられた場合には後者をあらためて検討することとした。 はじめに,運動に伴って計測した生体情報から,運動強度に依存しない運動耐容能の評価指標の作成を検討した。健常者を対象として3つの強度の運動を行ってもらい,経時的に生体情報(脈拍,経皮的動脈血酸素飽和度)を取得した。得られた生体情報から複数の指標を計算し,運動強度によって差があるか確認した。運動は体動の影響を小さくするためにリカンベントバイクを用いて行ったが,対象者によっては測定値のノイズが大きく,指標の計算が安定して行えないと判断した。 次に,様々な行動・運動を生体情報を用いて識別する方法を検討した。健常者に9種類の行動・運動(歩行,走行,階段昇降,座位,立位,仰臥位,着替え,歯磨き,荷物移動)を行ってもらい,腕と腰に装着した機器によって加速度を取得し,このデータから機械学習によって行動の識別を試みた。腕と腰の両方に装着した場合に,6種類の行動を妥当な精度で識別することができた。一方,腕だけに装着した場合には3種類,腰だけに装着した場合には4種類の行動であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した通り,はじめに行ったアプローチは期待した結果が得られなかったが,その場合を想定して次のアプローチの計画を立てていたため,後者のアプローチに切り替えることができた。次年度以降は当初計画とは異なる進行となるが,ここまでの進捗はおおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実績の概要に記載した通り,1番目に想定していたのとは異なるアプローチで今後の研究を推進することとなった。初年度の後半に実施した実験では,2番目に想定していたアプローチでよい結果が得られそうなデータが得られているため,こちらに研究計画を切り替えて推進する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響により,一部の機器の期間内の入手が困難であった。研究計画の工夫によって実験に大きな影響は生じていない。
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