2022 Fiscal Year Research-status Report
足関節補助機構を有する靴装着型歩行支援装具の開発に関する研究
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21K12791
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
谷田 惣亮 佛教大学, 保健医療技術学部, 准教授 (20584494)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 武士 大分大学, 理工学部, 教授 (10372137)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 福祉用具 / 支援機器 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,足関節補助による靴装着型歩行支援装具を開発することで,下肢機能低下者の歩行改善を目指すことである.本研究では,研究目的を達成するために次の5事項を実施予定である.1)足関節補助機構および靴装着型歩行支援装具の概要デザインを作製する,2)1)に基づき,靴装着型歩行支援装具の試作モデルを製作する.3)試作モデルを用いて,健常者による歩行実験を行い,装具を改良する.4)試作モデルを用いて,下肢機能低下者による歩行実験を行う.5)靴装着型歩行支援装具を改良する. 2022年度は,前年度から継続して,事項1)足関節補助機構および靴装着型歩行支援装具の概要デザインの作製を行った.概要デザインにおいては,靴の全周囲を取り巻く形状の従来のデザインを改良したものから,歩行時の歩きやすさ,軽量化,簡素化等の観点から靴の踵(ソール)部分に装着するデザインに変更することとした. また,事項2)靴装着型歩行支援装具の試作モデルの製作を行った.事項1)での概要デザインをもとに分担者にて足関節補助機構を組み込んだ靴装着型歩行支援装具の試作モデルを製作した.足関節補助機構の開発に際しては,制御の可変性(底背屈の強・弱など),底背屈運動時の下腿カフ部の剪断力の減少,制御・支持がある程度可能な強度がある等を新規性として形状に付加するよう試みた.さらに,装具の材質,強度,装着感等から最適な支柱形状を模索するために,複数のデザインを考案し,試作モデルを製作している.これらのデザイン作製,試作機の作製にあたっては,分担者および有薗製作所(義肢装具会社)の協力を得ながら実施した.さらに,本研究においては,装具装着下での3次元動作解析等での歩行計測が必要となるため,予備実験を含めて計測準備も実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度からのコロナ禍の影響により,医療・介護関係施設での調査や予備実験等の準備が計画通りできなかったことがある.また,概要デザインにおいて形状を変更することにしたため,設計から見直しを行い,試作モデルの製作に時間を要したことがある.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,主に事項2)から5)について実施する予定である. 年度前半では,変更した概要デザインに基づき試作モデルを製作・完成する.また,健常者による歩行実験と装具改良を行う.歩行実験は,3次元動作解析装置を使用し,健常被験者に靴装着型歩行支援装具を装着させて歩行を行わせる.歩行については異なる歩行速度や異なる条件に対して計測を実施し,歩行データを収集する.データ分析から装具を改良する.なお,歩行実験の計測機器および計測環境の整備・準備については前年度に実施している. 年度後半では,主に虚弱高齢者などの下肢機能が低下している者を対象にして,開発した装具を装着して健常者と同様に歩行実験を実施する.この結果をふまえながら,装具を改良し,より安全で実用的な装具としていく予定である.
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Causes of Carryover |
開発する装具の概要デザインの変更を行ったため,装具の開発費の計上が少なくなったことがある.また,デザイン変更に伴って,装具の歩行実験に要する人件費・謝金等においても経費が計上できなかったことがある.この分については,次年度の装具の製作経費および歩行実験の経費として運用する.
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