2021 Fiscal Year Research-status Report
自律神経バランスと高次脳機能評価による性周期に伴う心身の変調の多角的可視化
Project/Area Number |
21K12794
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡山 久代 筑波大学, 医学医療系, 教授 (90335050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 美礼 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (00273417)
松崎 一葉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10229453)
青木 真希子 神奈川工科大学, 健康医療科学部, 助教 (80589052)
内藤 紀代子 びわこ学院大学, 教育福祉学部, 教授 (30433238)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 自律神経バランス / 高次脳機能評価 / 性周期 / 心身の変調 |
Outline of Annual Research Achievements |
女性は性周期に伴う様々な身体的・精神的症状の変化を経験する。特に月経前には、倦怠感、判断力の低下、イライラなどの月経前症候群(Premenstrual Syndrome: PMS)が生じやすいが、症状が主観的であるため他者から理解されにくく、女性自身も変調を自覚しにくい。心身の変調の早期発見や治療、セルフケア促進のためには、これらの症状を客観的指標にて可視化する必要がある。これに対して我々は、近赤外分光法(near-infrared spectroscopy:NIRS)を用いた高次脳機能評価に取り組んでいるが、女性の多様な症状を可視化するには、複数の評価指標による多角的アプローチが必要と考えた。そこで心身の変調との高い相関が期待されている自律神経バランスに着目した。 本研究の目的は、非侵襲的で連続的計測が可能な心拍ゆらぎ解析に基づく自律神経バランス測定と、NIRSによる高次脳機能評価といった2つの客観的指標を用いて、性周期に伴う心身の変調を多角的に可視化することである。 今年度は2022年度に実施する本調査に向けて文献検討とデバイスの比較検討を行った。自律神経バランスを測定するデバイスを複数同時装着し、その反応性を分析した。また、20歳代前半女性の月経に伴う主観的ストレスと客観的ストレスの関連を明らかにすることを目的に、menstrual phase とfollicular phase の二時点において縦断的観察研究を行った。主観的指標として月経随伴症状や気分、客観的指標として自律神経とストレスホルモンを調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は2022年度に実施する本調査に向けて文献検討とデバイスの比較検討を行った。自律神経バランスを測定するデバイスを複数同時装着し、その反応性を分析した(2022年度に成果報告予定)。 また、パイロットスタディとして、20歳代前半女性の月経に伴う主観的ストレスと客観的ストレスの関連を明らかにすることを目的に、menstrual phase とfollicular phase の二時点において縦断的観察研究を行った。主観的指標として月経随伴症状や気分、客観的指標として自律神経とストレスホルモンを調査した(2022年に成果報告予定)。20歳代の性成熟期のデータは、妊娠中・産後、更年期の女性に対する基本的データとなるため、今後の研究や新規デバイス開発においても有用な基礎資料となった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、本調査に向けた倫理審査と、リクルート、測定を実施する。自律神経バランス測定と、NIRSによる高次脳機能評価といった2つの客観的指標を用いて、性周期に伴う心身の変調を多角的に可視化することを目的とする。 性成熟期女性のストレス反応やメンタルヘルスの可視化をすることが我々の大きなテーマであるが、昨今のCOVID-19の影響にて、対象者のリクルートや管理が難しい状況になっている。そのため、2021年度の研究においては、感染予防対策を徹底した上での測定を行うため、継続した健康観察を行っている本学の学生を対象とした。次年度以降も実験環境の設定やリクルートにおいて十分な感染予防対策を行う。
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Causes of Carryover |
2021年度はCOVID-19の感染拡大により国際学会および国内学会がオンラインでの開催となった。そのため予定していた旅費が不要となった。2022年度はオンサイトでの学会も開催されるため、国内外の出張経費として使用する予定である。
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Research Products
(7 results)