2021 Fiscal Year Research-status Report
Research on the real-time fall prevention system using IMU sensors based on machine learning methods which can be used anywhere on daily basis
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21K12798
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
戸谷 伸之 北海道情報大学, 医療情報学部, 准教授 (00340654)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 親宗 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 教授 (50281837)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歩容解析 / 転倒防止 / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,上肢のセンサで得られたデータから歩容の異常を判別する方式を提案し,その精度を向上させる手法を開発して転倒防止のシステム実用化への有効性を検証することである. 今年度は,公開歩行データを用いた歩容の解析を開始し,歩行状態の判定に有効なデータの取得方法について検討を進めた.また歩容データを取得するための実験環境の構築して予備実験を行った. 公開データを用いた歩容解析においては,主に機械学習で適用するアルゴリズムの有効性について検討した.アルゴリズムとしてモデル木を適用した場合,手首の位置情報のデータから挙上する足の高さを高精度で推定することが可能であることが示唆された.また機械学習で用いる特徴量として上肢の加速度だけでなく被験者の身長データや歩行速度を取り入れることによって,挙上する足の高低と歩幅の大小の判定精度が上がることが示唆された. 実験では,まず被験者に装着する複数のIMUと外部カメラを用いた実験系を構築してトレッドミル上での予備実験を行った.取得する歩容の精度をさらに高めるため,複数の専用カメラを用いた光学的なモーションキャプチャシステムを併用する実験系を構築し,予備実験を行った. 今後はIMUで得られた加速度等のデータとモーションキャプチャシステムで取得された実際の歩容とを比較し,実際の歩容が各IMUそれぞれの取得データにどの程度反映されているか関係を詳細に分析する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定では,実験によるデータ取得及び解析を開始する予定であった.ただしコロナ禍の影響により,被験者の協力を得ることが困難であったため,この対応策として,公開された歩容データを用いて解析を進めた. 実験については,まずIMUと外部カメラを用いた実験系を構築して予備実験を行った.取得する歩容の精度をさらに高めるため,光学的な歩容解析システムを併用する実験系を構築し予備実験を行った. 分析については機械学習のアルゴリズムとしてモデル木を用い,特徴量として手首の加速度に加えて身長や歩行速度の情報を用いることによって,挙上する足の高低等の判定精度を向上させることができた.また,挙上する足の高さを手首の加速度データから定量的にある程度の精度で推定することが可能であった.これまでの結果から,歩容における「挙上する足の高さ」が「手首など上肢の加速度データ」に強く反映されていることが示唆された.今後も同様の手法を用いることで,歩容における挙上する足の高さ以外の要素と上肢の加速度の関係や最適なアルゴリズムについて検討を進める予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究において被験者のIMUで取得されたデータのうち手首の加速度が,実際の歩容の影響を大きく受けることが明らかになった.今後の研究では手首以外にも「判別に有効なセンサの装着」について考慮しながら,そのデータから実際の歩容をどの程度の精度で判別することが可能かを検証する.特に,挙上する足の高さの不足している状況等,転倒の危険のある歩行を判別できるかを調べる.また,適用する機械学習の精度の向上を目指して,効果の高いアルゴリズムや有効な特徴量を用いたデータ処理について検討を進める.実用性を考慮して,より少ない学習データでの判定についても検証する. 最終的に実用的なセンサの装着法と信号処理の流れ,具体的な利用方法など,「転倒防止システム」実現可能性の評価を達成目標として研究を進めていく予定である.
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Causes of Carryover |
研究に必要な物品は入手できたため、今後は主に研究打ち合わせや研究発表の交通費、参加費、また論文投稿に必要な費用に充てる予定である。
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Research Products
(2 results)