2021 Fiscal Year Research-status Report
終末期高齢者における心弾動図を用いた予後予測システムの開発―終末期の予測に挑む―
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21K12800
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
柳澤 尚武 順天堂大学, 革新的医療技術開発研究センター, 准教授 (40813803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
葛西 隆敏 順天堂大学, 大学院医学研究科, 准教授 (60465036)
西崎 祐史 順天堂大学, 革新的医療技術開発研究センター, 准教授 (60743888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 心弾動図 / 終末期患者 / 心拍変動指標 / 自律神経活動 / Internet of Things (IoT) / 時系列データ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、心弾動図(BCG: ballistocardiogram)から算出される心拍変動指標の時系列的な変動および変化を指標として、終末期患者の予後予測を行うことである。心弾動図とは、左心室から血液が拍出される際に、動脈に対する血液の反跳力より生ずる体動の波形であり、最近のIotの進展に伴い、心弾動図を非侵襲的に取得し、健康増進に役立つように応用されている。本年度は、Covid-19の流行の影響からデータ収集や研究打ち合わせなどの制限がかかったため、研究活動の進展についてある程度の制限があった中での活動であったが、当初予定の探索的なデータ解析は実施できた。 まず、終末期患者の既存データについて、BCGから得られた心拍変動指標を算出し、死亡や転院などのイベントが発生するまで時系列データについて解析を行った。検討した心拍変動指標について、今回は時間領域解析の指標であるRRIやSDNN、CVRR等を検討した。既存データのため、患者背景についての詳細については得ることが難しいが、医療機関に問い合わせて、既往歴や原疾患など現在収集中である。時間解析指標については、データの欠測データの補完を検討し、その後、時系列データのプロット、要約統計量を算出し、データの特徴について考察した。時系列データに対して、自己回帰モデルや自己回帰移動平均モデルなど、いくつかの時系列データ解析の代表的なモデルを検討するとともに、外れ値や異常変動についても機械学習的な検討も行った。本解析の結果に基づいて、現在論文執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの流行により、データ収集の遅れや本研究に関わる会議等の開催に、制限はあったが、得られたデータにより、ある程度解析を進めることができたため。但し、データ数が当初予定よりも少なかったため、今後、継続してデータを収集するか検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで収集したデータについて、機械学習的手法なども検討し、更にデータ解析を進め、論文として公表するとともに、学会発表も行う。また、BCGから測定される心拍変動の指標の妥当性を検討する試験も計画し、実施する予定である。来年度は、論文投稿および学会発表、新規試験の計画、実施を中心に研究活動を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
今年度はCovid-19の感染拡大のためデータ収集に時間が掛かったことや、学会参加などの外出の機会が減ったことなどから、次年度使用額が生じた。次年度は新規臨床研究や論文投稿、学会参加を検討しているので、これらの費用として使用したい。
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