2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of a rehabilitation training device aimed at activating the brain by a body stimulation approach
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21K12805
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Research Institution | Kyushu Sangyo University |
Principal Investigator |
鶴田 和寛 九州産業大学, 理工学部, 教授 (60389236)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脳活動モデル / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度(2年目)はLABNIRS(脳血流測定装置)の座標入力ペンの欠損、脳血流取得チャンネルの新たな不具合があり、新規購入した脳波計を利用した刺激と脳活動の関係を調査することに注力した。 健常な被験者3名に対し、刺激なし(平静座位)、瞬き刺激(視覚)、香り刺激(嗅覚)、音の刺激(聴覚)を与えた場合の脳波を測定した。脳波計からはEEG波、α波、β波、γ波、θ波を取得できるが、これらの信号は、EEG波を所定の周波数帯域でわけて、それぞれα波、β波、γ波、θ波としている。我々が提案した解析方法(特願2022-075252号)では、EEG波を周波数解析した結果を図(画像データ)として表し、この画像データに対してDeep Learningを施すため、α波、β波、γ波、θ波に分ける必要がなく、EEG波をそのまま利用して特徴量を把握できる。被験者3名(A、B、C)に対して、刺激なしの場合と瞬き刺激、香り刺激、音の刺激の場合を個人別に評価した結果、瞬き(85%、77%、83%)、香り(92%、92%、90%)、音(95%、88%、97%)の精度で分類された。これらの結果から、3人の被験者ごとに3種類の刺激に対して、刺激なしと刺激ありの違いをAIで認識できることが確認された。また、被験者の脳波を3名分まとめて、(刺激なし、瞬き刺激、香り刺激、音の刺激)の4カテゴリで分類した結果、(89%、87%、82%、86%)の精度で分類された。これらの結果から、被験者に関わらず、刺激なしと3種類の刺激ありの違いをAI認識できることが確認された。 以上のように、令和4年度は脳波計による脳活動データの取得方法と解析・分類方法を開発できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度の計画では、定点刺激と脳活動の関係を明らかにすること、生体計測装置(筋電図、心電図、脳波)を利用してLABNIRSで取得する脳血流データに加えて脳波を計測し、脳活動の特徴量をより詳細に調査すること、さらに、fMRI(磁気共鳴機能画像法)装置を利用して、被験者の頭部座標を正確に測定し、脳血流データとマッチングさせることで、脳活動マップの精度を向上させ、個人差を考慮したテーラーメイド医療に繋がる脳活動モデルを作成することであった。しかし、[5.研究実績の概要]で述べたとおり、LABNIRS(脳血流測定装置)の座標入力ペンの欠損(現在は新しいペンを別予算で購入済み)、脳血流取得チャンネルの新たな不具合により、脳血流データの取得が出来なかった。そのため、研究手段を脳波計でのデータ取得に切り替えたため、進捗状況を(3)やや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和5年度は、脳波計を利用した脳活動データを取得し、被験者の意思を予測するための脳活動モデルの作成に注力する。また、LABNIRSによる脳活動マップ作成に関しては、昨年度末に別予算で購入した座標入力ペンと正常動作しているチャンネルを利用して、可能な範囲で脳活動モデルの作成に取り組みたい。LABNIRSでのデータ取得と合わせて、総合機器センター(学内施設)が所有するfMRI(磁気共鳴機能画像法)装置を利用して、被験者の頭部座標を正確に測定し、脳血流データとマッチングさせることで、脳活動マップの精度を向上させ、個人差を考慮したテーラーメイド医療に繋がる脳活動モデルを作成する。
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Causes of Carryover |
「7.現在までの進捗状況」で述べた通り、当初予定していた生体計測装置(筋電図、心電図、脳波)による脳活動データの取得を実施するため、研究に必要な機器備品(生体計測装置)を調達ルールにのっとって購入することで、最終的に予算額に対し7万強の残額が発生することとなった。 次年度は生体計測装置を利用したデータ取得を複数人、複数回実施するための消耗品(電極パッドなど)や脳情報を外部出力し、リアルタイムでAI解析するためのI/Oボード等を購入し、脳活動モデルの作成、脳活動解析による行動予測に注力したい。また、国際学会等への論文投稿も予定している。
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Research Products
(4 results)