2021 Fiscal Year Research-status Report
安静時の膝伸筋群の超音波画像を用いた広範囲年齢層の膝伸筋最大筋力の推定
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21K12807
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三秋 泰一 金沢大学, 保健学系, 教授 (60251964)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 筋厚 / 筋体積 / 筋輝度 / 筋内脂肪含有率 / 超音波画像 / MRI画像 / 筋硬度 / 級内相関係数 |
Outline of Annual Research Achievements |
目的:2021年度は、まず超音波診断装置から得られた大腿四頭筋の超音波画像から筋厚、筋輝度、筋硬度、羽状角の測定信頼性を検討すること大腿四頭筋の筋輝度の決定方法決定するために、筋厚と筋体積および筋輝度と筋内脂肪含有量との間の相関を検討すること 対象:健常成人14名(男性8人、女性6人)とした。 方法:超音波診断装置MyLab25(esaote社)、7.5MHzリニア型プローブおよびMRI装置Ingenia3.0T(Philips)を用いて筋の画像を撮像した。超音波画像は上前腸骨棘と膝蓋骨上縁を結び、中枢から25%、50%、75%の位置の筋画像を撮像した。MRIは大腿部の中枢25~75%範囲の筋画像を撮像した。超音波画像から筋厚および筋輝度を測定した。筋輝度は、ImageJ(NIH)を用いてグレースケール分析にて測定した。MRI画像から筋体積、筋内脂肪含有率を測定した。筋体積はZedview11.5(株式会社レキシー)を使用して測定した。筋内脂肪含有率は、MRM-GRE法を用いて測定した。 結果:測定信頼性の指標である級内相関係数は、筋厚、筋輝度、筋硬度、羽状角すべてにおいて0.98以上であり高い測定信頼性を示した。筋厚と筋体積の相関については、25%、50%、75%のそれぞれの位置での筋厚を平均した値と筋体積との間の相関係数は0.75で高い相関を示した。筋輝度と筋内脂肪含有率との間の相関係数は、50%の位置での筋輝度と筋内脂肪含有率との間では0.41であり25%、50%、75%のそれぞれの位置での筋輝度を平均した値と筋内脂肪含有率との間では0.39であった。筋輝度と筋内脂肪含有率との間は、やや低い相関であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
筋厚と筋体積との間には高い相関が認められたが、筋輝度と筋内脂肪含有率との間の相関係数は中等度以下とやや低く、先行研究と比較しても低かった。これは、筋輝度測定時の超音波診断装置の感度設定条件による影響が考えられ、感度設定の違いによる筋輝度と筋内脂肪含有率との相関の違いを検討する必要性があることが判明した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022・2023年度は、まず感度設定の違いによる筋輝度と筋内脂肪含有率との相関の違いを検討し、最も筋輝度と筋内脂肪含有率との相関が強い感度設定で超音波画像より求められる安静時の筋厚、筋輝度、皮脂厚と膝関節伸展最大等尺性筋力を計測し、性別、年齢、体重、身長などの身体特性を含めて重回帰分析を行い、最大筋力の推定式を求める。
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Causes of Carryover |
(理由)予定していたエラストグラフィーが可能な超音波診断装置の価格が予定していた価格よりも高かったため、購入できず代わりに筋硬度計を購入し既存の超音波診断装置で行ったため。 (使用計画)関連学会での資料収集および研究成果発表のための学会参加費、英文校正費および学会誌掲載料に支出する予定である。
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