2021 Fiscal Year Research-status Report
筋の力学的特性を規範とするインナー型インフレータブルアシスト技術の開発
Project/Area Number |
21K12808
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塚原 淳 信州大学, 学術研究院繊維学系, 助教 (70601128)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アシストスロージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、歩行に伴う筋収縮時の機械的な変化(筋変位信号)から、空気圧駆動のインフレータブルアクチュエータ(IfA: Inflatable actuator)を制御し、機能的に遊脚動作を支援するインナー型インフレータブルアシストスロージングを開発することを目的とする。この目的を達成するために、今年度では、(1): 筋の電気的・機械的活動のシナジー関係の解明と(2): 筋変位に基づいて筋モーメントを推定する最適化手法の提案と妥当性の検証を行った。 研究項目(1)では、起立・着座・歩行時における筋の電気的活動(表面筋電位)と機械的活動(筋変位)との間に、どのような「シナジー関係(相互作用性や相関性)」が現れるのかを被験者実験によって調査した。実験解析には、モーションキャプチャと逆動力学解析を用いた。その結果、運動時での表面筋電位信号と筋変位信号には、高い相関関係があったことを確認した。 研究項目(2)では、研究項目(1)で得られた結果をもとに、これまで表面筋電位を用いて筋モーメントを推定する従来の手法に対して、筋変位を用いることで皮膚インピーダンスを考慮することなく筋張力や筋モーメントを推定する新たな手法を提案した。さらに、実験項目(1)で行った被験者実験の解析結果を用いて、従来手法によって推定された筋張力・筋モーメントとの間に高い相関関係を確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度実施予定であった研究項目(1)と(2)については、共同研究先の実験環境施設を使用することにより比較的順調に進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度推進した研究項目について、引き続き被験者実験ならびに解析を行うとともに、提案した筋張力・筋モーメント推定手法についても改良を行っていく予定である。また今後は、今年度得られた結果をもとに、筋の変位信号からポンプの吐出空気量を調節するための「IfA収縮制御メカニズム」を明らかにする「IfAの収縮量・収縮速度制御法の開発」を行い、成果を出す予定である。
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