2021 Fiscal Year Research-status Report
Study on innovative body area networks for the deep inside and around the living body
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21K12812
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
越地 福朗 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (00610445)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ボディエリアネットワーク / アンテナ / 電磁界 / 人体 / 生体電磁波エネルギー吸収率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が提案する磁界励振型の送受信アンテナによる生体周辺通信を、生体周囲のみならず生体内部・深部へと拡張し、生体内外を通信エリアとする次世代の新しいボディエリア通信へと発展させるものである。生体内外に配置されるアンテナの構造に対するアンテナの特性や伝送特性を検討し、最終的には、電磁環境両立性(電磁波に対する生体安全性やイミュニティ評価など)の検討も行い、アンテナの設計手法、アンテナおよび生体を含めたシステム設計手法などを確立する。従来のボディエリア通信の伝送品質や伝送特性などの技術課題を根本的に解決する次世代の革新的ボディエリア通信技術へと発展させることをめざすものである。 2021年度は、生体内外に配置されるアンテナとしてヘリカルコイル型とスパイラルコイル型を対象として、アンテナ構造や形状に対する特性、具体的には、コイル型アンテナの形状に対する最適動作周波数(共振周波数)や、生体深部を含む生体内外間に配置されるアンテナ同士の伝送特性、また、アンテナが生体内外に形成する電磁界分布などの検討を行った。 その結果、有限要素法にもとづく電磁界解析を駆使し、磁界励振型アンテナの巻数やピッチなどに対する周波数特性を明確化した。また、磁界励振型アンテナが生体内外に形成する電磁界分布を明らかにし、高誘電率である生体の影響を大きく受けずに、生体周囲のみならず、生体内においても、効果的に通信エリアを形成できることが確認された。 さらに、実用的でよりスマートなウェアラブルアンテナの例として、腕部を装着箇所とした場合を検討し、曲面状の腕部に沿ってスパイラルコイルを湾曲させて配置する検討をおこなった。その結果、コイルの湾曲変形に対する伝送特性変動は小さく、良好な伝送特性が維持されることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、生体内外に配置されるアンテナとしてヘリカルコイル型とスパイラルコイル型を対象として、アンテナ構造や形状に対する特性、具体的には、コイル型アンテナの形状に対する最適動作周波数(共振周波数)や、生体深部を含む生体内外間に配置されるアンテナ同士の伝送特性、また、アンテナが生体内外に形成する電磁界分布などの検討を行っている。さらに、実用的でよりスマートなウェアラブルアンテナ装着例として、曲面状の腕部に沿ってスパイラルコイルを湾曲させて配置した際の伝送特性検討も行っている。各種検討は、数値電磁界解析による解析的検討と、試作アンテナと生体等価ファントムを用いた実測による実験的検討の両面から行っている。当初の研究計画どおり、順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の成果をふまえて、より具体的な検討へと移行したいと考えている。ウェアラブル機器やインプランタブル機器を身につけて生活することを考えると、日常生活において、様々な人体の姿勢変動が考えられる。 本研究で提案・検討する磁界励振型アンテナとして、スパイラルコイルやヘリカルコイルを基本構造とするウェアラブル・インプランタブルアンテナを送受信アンテナとしたときの姿勢変動などに対する送受信アンテナ間の伝送特性変動や伝送周波数特性、電磁界分布などの検討を進める。 さらに、本研究は、生体周辺通信を、生体周囲のみならず生体内部・深部へと拡張し、生体内外を通信エリアとする新しいボディエリア通信であり、アンテナ自体が、生体近傍や生体内に配置されるため、人体・生体の電磁波防護の観点から、アンテナや電子回路から放射される電磁波に対する生体安全性や電磁ノイズに対するイミュニティについても検討する必要があると考える。特に、電磁的な生体安全性については、生体の電磁波エネルギー吸収率である局所Specific Absorption Rate (SAR) 値によって評価を行う。評価には、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)によって定められた国際ガイドラインや総務省の定めるSAR制限値と照らし合わせて評価を実施し、生体安全性の確認を行う。 これらの検討については、すでに所有している電磁界解析ソフトウェア(現有設備)やネットワークアナライザ(現有設備)、インピーダンスアナライザ(現有設備)、誘電体プローブ(現有設備)によって行う。また、必要に応じて、研究協力先である東京大学や東京理科大学の研究設備なども利用して行う。
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Causes of Carryover |
計画立案時に購入を予定していた物品の一部に価格の変化があり、購入を見送ったためである。2022年度に同等代替品の購入費用として利用する。
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Research Products
(24 results)