2021 Fiscal Year Research-status Report
Psychologism in 19th Century German Philosophy : in Light of Early Neo-Kantianism
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21K12830
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Research Institution | Seisen University. |
Principal Investigator |
辻 麻衣子 清泉女子大学, 文学部, 非常勤講師 (40780094)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 新カント派 / 生理主義 / 認識論 / ヘルムホルツ / 心理主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究を遂行するにあたっては、3つの柱(1. ヘルムホルツのテクスト検討、2. 初期中期コーヘンのテクスト検討、3. 前記の2つの分析を通じた19世紀後半のドイツ哲学における心理主義の解明)があるが、初年度である2021年度は、そのうち1. ヘルムホルツのテクスト検討を主に進めてきた。具体的には、「視覚について」など、とりわけ哲学的な内容の論文、草稿を検討し、生理学者であり哲学者であったヘルムホルツの認識論における立場を明らかにする試みを行った。 加えて、2. 初期中期コーヘンのテクスト検討についても、予備的な作業を進めている。本研究では、初期中期コーヘンが心理主義を批判する立場に転向した契機として、師であるトレンデレンブルクと若手の哲学者クーノ・フィッシャーの間で巻き起こったカント解釈をめぐる論争(トレンデレンブルク‐フィッシャー論争)を重要視している。今年度は、このトレンデレンブルク‐フィッシャー論争のテクストを詳細に検討した。具体的には、論争のきっかけとなったトレンデレンブルクの『論理学探求』(1840年)およびフィッシャーの『論理学と形而上学の体系』第2版(1865年)、これら両者の該当箇所を扱った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、研究計画の初期段階に行われるべき作業についての進捗状況は順調である。ただし、Covid-19の影響により、(とりわけ国外の)学会への参加が難しいこと、オンライン授業等に想定以上のエフォートを割かざるをえなかったことなどから、当初に予定していたスケジュールからは若干の遅れをとっていることも付記しておく。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は、1. ヘルムホルツのテクスト検討をさらに進めると同時に、2. 初期中期コーヘンのテクスト検討を本格的に開始する。具体的には、その下準備としてのトレンデレンブルク‐フィッシャー論争の分析を完了したのち、コーヘンの『カントの経験の理論』(1871年)のテクスト解釈に着手する。
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Causes of Carryover |
Covid-19の影響により、(とりわけ海外の)学会への参加が難しかったこと、オンライン授業など他の業務に想定以上のエフォートを割かざるをえなかったことによる。2022年度については、学会参加のための出張や研究遂行に必要な機器の買い替えなど、支出の予定がすでに複数立っている。
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Research Products
(2 results)