2022 Fiscal Year Research-status Report
ミッド・センチュリーにおける「カリフォルニア・デザイン」の「空間像」に関する研究
Project/Area Number |
21K12891
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Research Institution | Otemae University |
Principal Investigator |
増岡 亮 大手前大学, 建築&芸術学部, 准教授 (90781203)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミッド・センチュリー / ケース・スタディ・ハウス・プログラム / 規格化 / 空間像 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目年度である2022年度は,昨年度と同様に,新型コロナ感染症の拡大の影響,所属機関の渡航制限および研究対象の建築家などのアーカイブの訪問規制などにより,現地での資料収集および調査を断念した.これにより,当初予定していた研究計画より進捗がやや遅れている. 2022年度も渡航できなかったが,戦後アメリカ西海岸で活躍した建築家ラファエル・ソリアノに関する既に収集済みの資料や昨年度に作成した基礎資料(平面図・断面図・立面図)などをもとに,彼の言説や論考を翻訳および分析を行い,彼の建築思想の特徴を明らかにし,研究成果を論文として投稿し,日本建築学会計画系論文集に掲載された.ソリアノに関しては,思想分析の他に,内外空間の構成に関する分析なども進めている. また,1950年代に活躍したソリアノやピエール・コーニッグ,クレイグ・エルウッドによるケース・スタディ・ハウスの作品群を比較分析を行い,研究成果を国際シンポジウム(International Symposium on Architectural Interchange in Asia)への投稿を行った.さらに,エルウッドに関するこれらまでの研究成果を翻訳論文として,国際誌(Wiley, Japan Architectural Review)へ投稿および掲載された. なお,研究を早急に進める必要があるため,次年度の調査に向けて,アーカイブや研究機関と密接に連絡をとりながら,渡航に向けての準備を進めるとともに,国内からアーカイブなどの機関に資料の取り寄せなどを行えるように調整および計画している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度は,これまでに収集した研究資料をもとに論文として投稿および発表などをしたことに対しては一定の研究成果があったと考えている.しかしながら,初年度と同様に,アーカイブによる資料収集および現地調査を実施する予定であったが,新型コロナ感染症の拡大の影響を受けて,アメリカ西海岸への渡航を断念した.研究対象の資料収集ができなかったため,当初の予定していた研究が進めることができなかったため,「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,新型コロナ感染症の流行も治まっていることから,アメリカ西海岸への渡航,資料収集および現地調査を実施する方針である. 現地での資料収集や既存資料をもとに,研究の基礎資料として図面作成および3Dモデルの作成,それらをもとに検討と分析を可能な範囲で実施する.また,アーカイブや研究機関から分析に必要な図面や写真などを取り寄せることで,研究を進めていく.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症の影響で,アメリカへの渡航ができず,アーカイブでの資料収集ができなかった.計上予算の多くは,アーカイブでの資料収集(図面や写真の複写費など)を見込んでいたため,初年度および今年度は予算を使用することができなかった.次年度は夏期ごろに渡航し,資料収集を行う見込みである.
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