2022 Fiscal Year Research-status Report
Qualitative research on the professional identity of music therapy as a clinical discipline after COVID-19
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21K12897
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
山本 里花 (生野里花) お茶の水女子大学, 基幹研究院, 基幹研究院研究員 (00793960)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 音楽療法士 / COVID-19禍 / 音楽を経験すること / 関係 / 職業アイデンティティ / インタビュー / グラウンデッドセオリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、COVID-19禍以降の音楽療法士の職業的アイデンティティに関する対話的議論の活性化を主な目的とし、実践者の経験のインタビュー分析を行っている。 【インタビューの実施】前年度までの3つに加え、あらたに1つのインタビューを行った。 【インタビューデータの分析】4つのインタビューデータを、グラウンデッドセオリーによって分析し、オープンコーディング、カテゴリーとコアカテゴリーの抽出を行った。 【研究結果の導き出し】結果の出し方については、「個々のインタビュイー間の分析結果を比較・参照して広く論じること」と「インタビュイー全員のデータを混合させてひとつの理論に導くこと」の二通りを残している。前者について、本研究では4つのデータ間で共通するものと異なるものが浮かび上がってきており、興味深い洞察が期待される。後者は、4つのデータの上位概念を統合することで、より俯瞰的な結果が期待される。 【発表・著述】日本音楽心理音楽療法懇話会 第364回講習会シンポジウム「コロナ禍における音楽療法士の職業としての在り方-実践・ 研究・施設の視点から-」(2022年7月)にて、「私たちは、音楽療法の何を手放し、何を守るのか-『COVID-19禍以降の音楽療法領域の職業的アイデンティ ティに関する質的研究』より-」として発表し、内容を「日本音楽心理音楽療法研究年報vol.51」に掲載した。また、Proceedings of the 17th WFMT World Congress of Music Therapyに”Exploring A Practitioner-centered View on Music Therapy Research”を投稿した(掲載決定)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究協力者との密接なコミュニケーションをいかして、対話による研究の順調な推進が可能になっている。ただし、研究プロセスを専門領域コミュニティに開くことが十分には達成できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、以下を進める予定である。 4つのインタビューそれぞれのコアカテゴリーを確定し、比較・議論へと進める。結果については、第23回日本音楽療法学会学術大会(2023年9月、岐阜)に口演を応募している。 一方で、4つのインタビューのカテゴリーを統合した全体の理論化を進める。これらの作業の中で、追加インタビューが必要かを検討し、必要があれば実施する。 17th World Congress of Music Therapy(2023年7月、バンクーバー)のSpotlight Session “The Future of Research in Music Therapy: Topics & Methodologiesにおける発表に、研究の一部を反映させる。そしてこのSpotlight Session の様子を第23回日本音楽療法学会講習会にて共有する。 さらに、2023年8月には 元McGill University Health Centre(モントリオール)音楽療法士Salmon氏の専門職コミュニティと対話会を行うなど、オンラインや対面による専門職コミュニティとの共有・対話を検討・推進する。
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Causes of Carryover |
COVID-19禍の状況等により、旅費が発生しなかったことや、データ分析に集中して研究共有の機会を十分に作れなかったことから、次年度使用が生じた。2023年度は国外・国内の学会出張を予定しており、とくに国外の費用が高騰していることから、そこに充てる。
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Research Products
(10 results)