2023 Fiscal Year Research-status Report
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21K12920
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
山本 真由子 大阪公立大学, 大学院文学研究科, 准教授 (00784901)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 藤原道長 / 藤原行成 / 産養 / 算賀 / 羹次 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、平安朝の和歌序について、本文を集成し、漢文学と和文学双方の作品の用例をふまえた詳しい注釈を施すことである。また、その注釈をふまえて、和歌序の特質を考察することである。さらに、平安朝を通して和歌序は、どのように展開したのかについて、変遷の諸相を捉えることである。和歌序の注釈をふまえつつ、物語など他のジャンルの文学作品との関わりや、歌学書や文章作法書における和歌序についての記述などの点からも検討する。 2022年度から、摂関期に藤原道長の周辺で制作された和歌序に着目して、収集、調査と注釈とを進め、和歌序の担った社会的機能の一端を明らかにして、2023年8月に研究発表を行った。発表後、藤原道長や和歌序の作者藤原行成の日記(古記録)を見直し、和歌序が制作された歌会や佚文がないか調査した。また、和歌序が制作された諸行事、産養や算賀、羹次などと和歌序・和歌との関連について検討した。 以上の研究成果は、論文にして発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
和歌序を収載する資料について、当初の計画にはなかった古記録を見直す必要が生じている。 和歌序の注釈、解題的研究に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、平安朝の和歌序を収載する資料について、伝本を調査し本文を収集、整理する。近世、近代の研究史についても調査する。 また、本文の調査に基づき、和歌序本文について、異同を調べ、解釈とも照合しつつ必要があれば校訂する。注釈を施す際は、漢文学と和文学双方の作品の典故や用例を踏まえて厳密に語釈をし、語釈をふまえて解釈する。類書、字書、韻書の類も活用する。 さらに、和歌序について、解題的研究(開催年時、場所、作者、和歌の有無など)を併せて行う。同時代の和文の日記、物語も調査する。用例や資料の収集には、データベースや歴史資料を活用する。
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Causes of Carryover |
物品費、旅費として使用予定であったが、物品費はデジタルアーカイブを利用した資料収集が多かったため、旅費はオンラインでの参加に変更したため、不要となった。次年度以降の資料収集、旅費として使用する計画である。
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Research Products
(1 results)