2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K12930
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
馮 超鴻 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (30879705)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 玉藻前 / 狐妖 / 実録的写本 / 『三国悪狐伝』 / 中国古典小説 / 中国講史小説 / 近世文学 / 比較文学 |
Outline of Annual Research Achievements |
玉藻前説話は中世に遡るが、近世に入ると、その内容を引き継ぎながら、玉藻前に関する作品がさまざまなジャンルに亘って作られていた。読本『絵本三国妖婦伝』と『画本玉藻譚』は、近世の玉藻前説話の集大成ともいうべき二つの作品であるが、その形成の前段階に位置し、先駆的作用を果たした作品として、僧単潮海誉著の勧化物『勧化白狐通』と、著者不明(周卜著か)の実録的写本『三国悪狐伝』があげられる。本年度は主にこの二書をめぐって研究を行った。 ①『勧化白狐通』の著者は先行の狐譚を利用して、中世の「玉藻の草子」と異なる新しい内容を案出した。作品の比較分析によって、著者が通俗物『通俗武王軍談』、中国明代の漢文小説集『狐媚叢談』のほかに、暦数書『ホキ抄』を参考にしたことが分かった。これらの書物を駆使しながら、著者が「玉藻の草子」に登場する玉藻前と安倍泰成に、それまでにない「術比べ」の内容や斑足王の誕生譚などを加筆し、人物に新しいイメージを与えたと考察した。 ②過去の資料調査により、実録的写本『三国悪狐伝』が主に二十六条の標題を持つ形態になっていることが分かった。本年度は書名に「悪狐伝」を有しながら、唐土と天竺の内容を切り捨て、専らに本朝に注目する『玉藻前悪狐伝』を新たに発見した。写本『三国悪狐伝』の内容の変貌に注目して分析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中国の新型コロナウイルス対策の影響で、一時期中国での資料調査が困難になった。そのため、予定より少し遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に変更はなく、引き続き写本の伝本の調査、中国古典小説の伝来の実情の調査、作品の内容分析、作者の創作の実情の調査を中心として研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
資料調査の旅費の一部を次年度に使用するため 。
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