2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K12938
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Research Institution | Sasebo National College of Technology |
Principal Investigator |
大坪 舞 佐世保工業高等専門学校, 基幹教育科, 准教授 (00781098)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 二条良基 / 連歌 / 鷹書 / 鷹詞連歌 / 今川了俊 |
Outline of Annual Research Achievements |
鷹書の画期は、室町時代初期において公家の学芸の復興に努め、連歌の文芸的興隆を導いた二条良基にある。良基が記した鷹書として、鷹詞を詠み込んだ連歌『鷹詞連歌』の三書がある。また、良基が制定した連歌式目では鷹詞が記され、以後室町時代を通じて連歌において鷹詞が取り込まれることとなる。 本年は二条良基による『鷹詞連歌』の翻刻および注釈を行った。本書の鷹詞は、それまでの和歌・連歌の学に詠み込まれていたものと、良基が初めて詠み込み、以後主として連歌に詠まれるようになるものがある。伝本のうち25本を翻刻し、対校、注釈を実施した。翻刻は現時点で手元にある伝本は完了し、注釈は一通り見通したところである。 鷹詞連歌には、おおきくわけて群書類従本を代表とする無注の伝本と、『鷹百首』「たかやまに」類と合写の形で室町時代以降多く書写された有注の伝本とがある。当初は書写が古く、公家文庫にも多く所蔵される有注本の本文が優位かと見通していたが、無注本系統の伝本の本文が良い例が多くみられることがわかった。 注釈においては、当初の予想通り二条良基に連歌を学んだ武家歌人、今川了俊の歌書にある鷹詞との一致も多くみられることが分かった。一方で、本書以前には見られず、これ以後連歌、あるいは冷泉家を中心とする歌人に用例が見られる鷹詞も散見される。 本書がいつ、だれに、どのように詠まれたか、その本文はどのようなものであったか、より精査していく必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で、県外に出ての調査が実施できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度断念した調査を本年実施する。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により出張調査ができなかったため。次年度に調査を繰り越す。
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