2023 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカ系アメリカ文学における階級・ジェンダーの表象
Project/Area Number |
21K12960
|
Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
柳楽 有里 兵庫県立大学, 環境人間学部, 准教授 (40835253)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | アフリカ系アメリカ人 / ハーレム・ルネッサンス / 階級 / 人種 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、アフリカ系アメリカ人による小説を対象として、黒人コミュニティ内部の階級的・ジェンダー的差別に注目する。20世紀のアメリカ黒人文学における階級・ジェンダーの表象の在り方が、どのように変遷したのかを明らかにすることが目的である。 研究対象作品 a) ネラ・ラーセン:Passing (1929) 、b)ドロシー・ウェスト:The Wedding (1995) 、c) ジェームズ・ボールドウィン: Giovanni’s Room (1956) 、d) トニ・モリスン: Love (2003)、e) オクティヴィア・E・バトラー:Kindred (1979) 今年は、上記の c)とd)とe) に取り組んだ。2024年2月に米国渡航が可能となり、Beinecke Rare Book and Manuscript Libraryにおいてボールドウィンに関する資料調査を行うことができた。この成果については、アメリカ文学会関西支部の2024年6月例会で口頭発表を行う予定である。d) については、論文を脱稿した。本論考については、2024年度中に出版予定である(タイトル未定)。さらに、人種とジェンダーをテーマとして取り入れているSF作家オクテイヴィア・E・バトラーの『キンドレッド』を研究対象に加えた。e)の論考は、「オクテイヴィア・E・バトラーの『キンドレッド』における 過去と未来の相補性」として兵庫県立大学環境人間学部研究報告26号(2024年3月)に掲載された。
|