2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K12974
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
影本 剛 立命館大学, 産業社会学部, 授業担当講師 (60897297)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近代朝鮮文学 / 民衆 / 関東大震災 / ジェンダー / 植民地主義 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度に遂行した研究を土台にして、一つの査読論文を公表し、四つの学会発表を行った。四つの学会発表は今後論文・共著書籍などに進展させる予定のものである。 論文では1930年代の行動主義文学論を朝鮮・日本・ベトナムという軸で見る観点から、1930年代の朝鮮の文芸批評を再読した。これは韓国の学術誌『民族文学史研究』に掲載された。 学会発表の第一は、1930年前後の林和(近代朝鮮文学を代表する批評家・詩人)の文学表現を「政治と文学」の枠組みで論じ直したものだ。第二は、関東大震災を表現した朝鮮文学を徴候的読解を通して議論した。関東大震災と朝鮮文学は本研究課題のテーマの一つであるが、ジェンダーという観点を導入して論じることを試みた。第三は、研究者の博士論文のうちの移動する人びとについての文学表現をまとめたものだ。この点についてもジェンダーの観点を導入することで、博士論文のテーマをより立体的に提示できた。第四は、戦後日本で朝鮮に向き合うやり方を、大沢真一郎の著書と論文を通して概観するものだ。先行研究のない分野であるが、文献調査を中心に今後の研究の土台になるような基礎的研究を発表した。いずれの発表も、韓国語で行い、それぞれについて、韓国、中国、日本の研究者から重要な批判・指摘を得ることができた。 また、発表・出版には至っていない領域に対する文学作品講読ノート作成および先行研究に対するノート作成も一定程度進展している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度に公表した諸テーマには、当初計画していた廉想渉や朴花城についての論文・発表が入っていないが、研究は進展しており、後に公表するための準備をしている。また、2021年度に公表したもののうち大沢真一郎の思想に関する発表は、発表依頼をされた後に構想したものであり、研究着手時には予期していなかった研究をすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も読解ノートを作成して、学会発表を経て論文投稿をし、査読で受ける批判を糧に論文を公表するスタイルで研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
研究の進行と年度の区切りを一致させていなかったため次年度使用額が生じた。翌年度は研究の進行とあわせて年度区切りに意識を向けたい。また、翌年度も研究の形式は変更しないので、前年度と同じように研究に必要な物品を備えるために予算を使用したい。
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Research Products
(5 results)