2022 Fiscal Year Research-status Report
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21K12974
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
影本 剛 立命館大学, 文学部, 授業担当講師 (60897297)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 近代朝鮮文学 / 初期社会主義 / ジェンダー |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度の研究実績は、第一に、韓国の研究者たちとのオンライン研究会の成果として、共著論文「草創期社会主義知識人のロシア革命認識――金明植の「ニコライ・レーニンはどのような人か」(1921)を中心に」を韓国の学術誌『東方學志』に発表した。 第二に、2021年度の学会発表を元に再構成した論文「朝鮮人と対面した戦後民主主義知識人――大沢真一郎の生と思想」を韓国外国語大学の研究チームの単行本刊行物『日本社会のサバルタン研究4』に寄稿した。第一、第二の実績は2021年以前から行ってきた研究を、成果物として公表したものである。第二の実績を基にした研究報告も行った(ソウル大学校奎章閣韓国学国際シンポジウム、ソウル大学)。 第三に近代朝鮮文学における「迷信」について検討し、韓国(多中心社会と地域語文学の(脱)境界的想像力、全南大学)と日本(韓国・朝鮮文化研究会第23回研究大会、東京大学)でそれぞれ学会発表を行い、他の研究者から貴重な批判と助言を受けることができた。 第四に近代朝鮮の社会主義雑誌である『新生活』を、文学的側面から読解する学会発表を行った(九州史学会大会、九州大学)。第三、第四の実績は、今後論文として公表できるよう、更に研究を進展中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
持続的に近代朝鮮文学に関する学会発表、および学会発表で得た批判や助言を元にした論文の公表ができている。また、それらの批判や助言を受けることによって、当初予期していなかったアイデアも得ることができており、それは今後の研究の萌芽になっている。
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Strategy for Future Research Activity |
本来の研究計画とは多少ずれがあるものの、近代朝鮮文学の諸相を深く認識する方向へ研究を進展させる。そのために批判と助言をもらえる学会や研究会などの研究者共同体に参加することで、外部からの刺激を積極的に受け止める。また2023年度は韓国現地での研究発表も行い、韓国の研究者との人間関係も結び直したい。
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Causes of Carryover |
研究予算の残額を丁寧に管理できていなかったため次年度使用額が生じた。次年度使用額は翌年度の助成金と合わせ、第一に書籍購入や複写費として、第二にそのアウトプットとしての研究会や学会発表に関する旅費として活用し、最終的には論文の公表に結び付ける。
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Research Products
(6 results)