2021 Fiscal Year Research-status Report
A comparative study of the word formation of morphemes in Japanese and Chinese
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21K12976
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
曽 睿 佛教大学, 文学部, 講師 (70837749)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 漢字形態素 / 派生語 / 語形成 / 類型論 / 日中対照研究 / 同形語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は日本語と中国語における同形漢字形態素が多く存在する中で、それらが派生語を構成するのか、同じく派生語に使用される場合、日本語と中国語の派生語はどのような異同があるのか、どのような場合に派生語が対応し、どのような場合に句で対応するのか、それが日本語と中国語の語形成規則とどのように関係しているのかを明らかにする対照研究である。 初年度は主に二つの課題を進めることを予定している。 一つ目の課題はデータベース作成の大枠を作ることである。『新明解国語辞書 第7版』(日本語)、『現代漢語辞 第7版』(中国語)から、同形形態素(日本語の「字音形態素」のみ)、及び当該形態素の構成語と対応できるように、データベースを作成する方向を固め、データ収集、入力作業を進めている。 二つ目の課題は具体的な形態素による語形成の対照研究である。今年度は具体的な同形形態素の語形成の対照研究の前段階として、日中同形語の具体的な使用における類型論的対照研究(『コロケーションの視点からみた日中同形類義語―「学校」「大学」を例として―』 第42回佛教大学中国言語文化研究会)を行い、日中同形類義語であっても、動詞との共起(コロケーション)によって、意味役割分担が異なることを明らかにした。このような、辞書の意味とは異なり、役割分担による意味の言語間の差異は形態素の意味理解にどのような影響があるのかという新たな課題が見え、同形類義形態素の対照研究も行っている。現在は次年度の成果発表に向けて準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの影響により、データ入力の作業がかなり遅れている。対面作業ができず、アルバイトの雇用ができない時間が長かった上、アルバイトがコロナに罹患することによって作業を中断せざる得ない状況もあった。さらに、中国語のデータベースの検索システムが不安定であり、使用できない状況が頻出していた。 ただし、年度の後半はアルバイトの採用が可能になり、遅れていたデータ入力作業も進められるようになり、だいぶ遅れていた整理作業もかなり進められたが、当初の予定よりはやや遅れている状況と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
現状を踏まえ、今後の研究は以下の2点に分けて進める必要がある。 まず、データ入力作業の改善である。当初は初年度で大枠を作成し、2年目に増補作業に入ることをを目標としたが、辞書の調査も終わっていない現状を踏まえて考えると、次年度の作業量を考える必要がある。改善法としては、現段階のデータ入力を分析し、増補内容を検討する。前年度に予定した入力データと増補データを同時に入力作業を進める。増補内容については、今年度の個別研究によって、意味、語形成頻度の差異による枠組み設定などの情報付与することが決まっているが、今度の考察に伴い、増補することも考えている。 また、同形類義語の対照研究を行った結果から、実際の使用と辞書の意味より複雑であることがわかり、実際の文脈が形態素の意味に影響を与える可能性の存在も考えられるため、文脈と語形成の関係という視点を導入し、同形類義形態素の日本語と中国語における運用を考察することを検討している。
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Causes of Carryover |
コロナの影響で予定が乱れ、(1)予定していた国内および海外発表には行けなかった。(2)データ入力作業ができず、予定したアルバイト採用できなかった。次年度のデータ入力作業などの費用にあて、適正な研究費執行を行っていく。
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Research Products
(1 results)