2022 Fiscal Year Research-status Report
日本語比較音韻論研究の新展開:東国系諸方言の調査研究から
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21K12990
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
平子 達也 南山大学, 人文学部, 准教授 (30758149)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 東国系諸方言 / 出雲方言 / 比較音韻論 / 日本祖語 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度もコロナの影響により,方言調査を行うことができなかったため,既存の方言辞典などを用いた調査票の整備が中心となった。一方で,本研究課題の対象ではない方言ではあるが,島根県出雲地域仁多方言の歴史音韻論に関する論文を執筆し,学術誌に採用された。この論文では,本土方言の中に,中央方言では失われた祖語の音韻的な特徴が保持されているものがあることを,出雲仁多方言の場合を例に示しているものであり,本研究の着想にも関わるものである。その比較音韻論的な手法は,本研究で用いる手法そのものであり,当該論文の中でも,本研究課題の対象である東国系諸方言について,同様の研究を行うべきことを説いている。
以下,今後の研究の展開に関する計画を述べる。 2023年度以降は,コロナによる制限も大幅になくなると考えられ,既に静岡県井川方言について,静岡理工科大学の谷口ジョイ氏とともに合同で調査を行う計画がある。また,伊豆諸島の利島方言についても,当該方言に詳しい研究者と連絡を取り合っており,年度内に調査を開始する予定である。加えて,岐阜県の旧久瀬村方言についても年度早々に調査協力依頼を地域の公民館宛に出し,夏には調査を開始したいと考えている。 研究開始して2年間はほぼコロナによって方言調査ができなかったため,本年度からの3年間で可能な限り調査を行うとともに,比較音韻論的な観点からの分析も並行して進め,なるべく早いタイミングで研究成果の発表を行いたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
コロナの影響により,方言調査が行えておらず,計画は遅れていると言える。一方で,これからの3年間で挽回する準備は整っているので,年度の早い段階から調査を開始したいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
上記で述べたことと重なるが,2023年度以降は,コロナによる制限も大幅になくなると考えられるため,年度の早い段階から方言調査を行なっていく計画である。既に静岡県井川方言について,静岡理工科大学の谷口ジョイ氏とともに合同で調査を行う計画がある。また,伊豆諸島の利島方言についても,当該方言に詳しい研究者と連絡を取り合っており,年度内に調査を開始する予定である。加えて,岐阜県の旧久瀬村方言についても年度早々に調査協力依頼を地域の公民館宛に出し,夏には調査を開始したいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスのために現地での調査ができなかったため,旅費が発生しなかった。そのため,次年度使用額が生じた。ようやく現地での調査が再開できそうなので,可能な限り現地調査を行う。そのための旅費として使用する計画である。
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