2021 Fiscal Year Research-status Report
基礎医学英語論文執筆における定形表現集の作成ームーブと品詞の関係性に着目してー
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21K13011
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
石井 達也 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90845603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ESP / Medical English / move analysis / keyword analysis / n-gram |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、基礎医学英語論文におけるムーブ(構成要素)に関連した具体的な定型表現集を作成することである。ムーブ分析は質的分析が主であり、コーパス言語学の知見による量的分析を用いた定型表現の記述が不十分であることが挙げられる。研究論文の具体的なムーブ分析として、Introductionを3つ(Swales, 1990) に、医学英語論文を11つ(Nwogu, 1997) のムーブに細分化した報告がある。しかし、これらは質的分析に留まっており、各ムーブの具体的な定型表現の記述は行われていない。各ムーブに典型的な定型表現の記述にはコーパスの手法を用いた量的分析が必要となる。 本年度は、基礎医学英語論文300編を12のムーブに分割したコーパスを用いて、それぞれのムーブに統計的に有意な語・語連鎖を抽出した。またコンコーダンスラインを観察することで、典型的な定型表現の記述を行なった。それらをまとめて、研究協力者の河本健(広島大学)氏と『ライフサイエンストップジャーナル300編の型で書く英語論文ー言語学的Move分析が明らかにしたすぐに使える定型表現とストーリー展開のつくり方』を発刊した。加えてKawamoto & Ishii (2020)を参考に、 Resultsセクションの3つのムーブの冒頭のn-gramからパターンを抽出し、英語コーパス学会(第47回)でオンライン発表を行なった。ムーブの冒頭のパターンを明らかにすることで論理展開について記述できる可能性を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、研究協力者の河本健(広島大学)氏と『ライフサイエンストップジャーナル300編の型で書く英語論文ー言語学的Move分析が明らかにしたすぐに使える定型表現とストーリー展開のつくり方』を発刊した。その際に、全体コーパスと比較することで、統計的に、各ムーブを構成するのに特有の特徴語を特定することができた。しかしながら、作成中の12のムーブに分割する化学論文コーパスについては150論文のデータ化を行えたものの、これらは当初計画していたよりもやや遅れていると言える。理由としては、12のムーブに分割し、共同研究者である河本氏とすり合わせし、データ化するのに時間と労力がかかる為である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、研究協力者の河本健(広島大学)氏と『ライフサイエンストップジャーナル300編の型で書く英語論文ー言語学的Move分析が明らかにしたすぐに使える定型表現とストーリー展開のつくり方』を発刊した。その際に、全体コーパスと比較することで、統計的に、各ムーブを構成するのに特有の特徴語を特定することができた。今後、品詞とムーブの関係を明らかにする際の基礎資料を作成できた。今後は対応分析などを行い、品詞とムーブの関係を統計的に処理していきたい。またまだ行われていない150の化学論文の分析・データ化を行う。作成後は、サンプル調査を行い、データの整合性を確認する予定である。データの完成後は、これまでのムーブに基づくコーパスと統計的に比較することで、各ムーブの比較を行う。そのことで、より緻密なムーブと典型的な定型表現の関係が明らかに出来るであろう。
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Causes of Carryover |
本年度は、covid19の影響で、研究発表がオンライン開催となった。また論文の分析がまだ途中のために第3者評価の人件費を支払えていない。
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Research Products
(3 results)