2022 Fiscal Year Research-status Report
基礎医学英語論文執筆における定形表現集の作成ームーブと品詞の関係性に着目してー
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21K13011
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Research Institution | Kobe City College of Technology |
Principal Investigator |
石井 達也 神戸市立工業高等専門学校, その他部局等, 講師 (90845603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ESP / Move / 定型表現 / 基礎医学論文 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、基礎医学英語論文におけるムーブ(構成要素)に関連した具体的な定型表現集を作成することである。特に品詞とムーブの関わりに注目して、定型表現の記述を目指す。ムーブ分析は質的分析が主であり、コーパス言語学の知見による量的分析を用いた定型表現の記述が不十分であることが挙げられる。 本年度は、基礎医学英語論文300編を12のムーブに分割したコーパスを用いて、Introducionの3つのムーブに共通の統計的に有意な名詞としてroleの振舞いとムーブの関係について論文化した。roleのコンコーダンスラインを観察することで、典型的な振舞いの記述を行なった。先行研究では、play a role inの語連鎖のみ注目されていたが、より詳細に記述した。また河本・石井(2018)の臨床医学論文395編を12のムーブに分割したコーパスの再分析を行い、臨床医学英語論文執筆支援プラットフォーム (https://home.hiroshima-u.ac.jp/tkawamo/ClinicCorpusV2-1.html)の作成を行った。成果を英語コーパス学会2022年度春季研究会で口頭発表を行い、広く公開した。最後に当初の予定通り、化学論文300編を12のムーブに分割したコーパスも作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予定通り、化学論文300編を12のムーブに分割したコーパスも作成し、臨床医学論文395編、基礎医学論文300編、合計995編(約450万語)のムーブコーパスが完成した。しかしながら、化学論文300編から30編抽出を行い、一致率を確認する作業が未着手である。公務などの対応のためにまとまった時間が取りにくい状況にあるものの、取り組んで成果を出していきたい。
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Strategy for Future Research Activity |
一致率を確認する適任者を見つけ次第、依頼したい。臨床医学論文、基礎医学論文については、全体に対して統計的に有意な語連鎖をムーブごとに選定した。今後は、合計995編を参照コーパスに各分野のそれぞれのムーブの特徴と分野共通の特徴的表現を算出する。算出語は特徴的な品詞連鎖に注目しつつ、より詳細な定型表現の記述を目指す。
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Causes of Carryover |
COVID19のために発表を兼ねた研究旅費が発生しなかったため、繰越となる。
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