2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13015
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
野間 純平 島根大学, 学術研究院人文社会科学系, 講師 (30780986)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 山陰方言 / ノダ文 / 終助詞 / 出雲方言 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、島根県出雲市平田方言のデータを中心に、これまでの面接調査において収集したデータを、文末の「ダ」を中心に見直す作業を行った。具体的には、これまでに主に記述文法書の作成を目的として収集した発話データにアノテーションを付与する作業を行いつつ、「ダ」を中心とした文末形式の出現傾向を整理している。自然談話資料の整理・分析も並行して行っているが、本年度はアノテーション作業を主に行った。これは、関連する別の研究プロジェクトとの兼ね合いを考慮したうえで、文末形式の分析に先立って、当該方言の文法記述を優先することが有効であると判断したためである。また、新型コロナウイルスの感染拡大により、調査にある程度の制約があることも考慮したものである。これらの作業の成果は、コーパスを用いた分析も含めて、次年度以降に発表を行う予定である。 一方、オンライン研究会「土曜ことばの会」にて、「方言からみたノダ文研究―終助詞とのかかわりから―」という題目で研究発表を行った。これは、日本語のノダ文に関するワークショップとして行った研究発表で、疑問文研究と方言研究の立場から、今後のノダ文研究のあり方について議論するものである。本研究課題が目指す、他の文末形式も含めてノダ文の機能を把握するという構想について発表し、参加者と議論を行った。このワークショップを契機として、ノダ文に関する新たな共同研究がスタートすることになった。このことに伴い、次年度以降の本研究課題のさらなる発展が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルスの感染状況が依然収まらないこともあり、方言調査が思うように行えないという事情はあるものの、ワークショップにおいて多くの研究者と意見交換ができたことは、本研究課題にとって大きな進展となったと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降も、出雲市平田方言を中心に、文末形式を整理する作業を続けていく。それと並行して、新たに発足したノダ文研究プロジェクトと連携をとりつつ、「ダ」をはじめとした文末形式の記述を行っていく。
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Causes of Carryover |
次年度使用額は、音声データの文字起こしやデータ整理作業に充てる予定である。本年度は、研究代表者の専門知識が必要になるアノテーション作業を優先したため、これらの額が生じた。
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Research Products
(3 results)