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2022 Fiscal Year Research-status Report

義門「転用」の研究:『山口栞』における五音相通説と活用研究の関係を中心に

Research Project

Project/Area Number 21K13019
Research InstitutionTsurumi University

Principal Investigator

遠藤 佳那子  鶴見大学, 文学部, 講師 (20737184)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords日本語学史 / 学校文法 / 義門 / 五十音図 / 悉曇学 / 富樫広蔭 / 契沖
Outline of Annual Research Achievements

本研究は近世国学者・義門の『山口栞』(天保7年〈1836〉刊)を主な研究対象とし、それまでの五音相通説をどのように整理し、活用論に援用しているか検証するものである。昨年度までCOVID-19の蔓延により遠隔地の資料調査が自由に行えなかったため、今年度は資料調査を重点的に行った。
(1)『類聚雅俗言』『語辞林香記』『言葉のやちまた疑問』『活語余論』『友鏡底廼影』の閲覧・調査を行い、その翻刻や読解を行った。三木幸信『義門研究資料集成(上・中・下)』(風間書房、1966~1968)に収録されている資料であっても、今回の調査で諸本により異同が多く存在することが明らかになった。中でも『類聚雅俗言』は写本でしか伝わらないため、収録語彙の異同が目立つ。
(2)本研究の対象である『山口栞』には当代語と古典語とを比較する記述がある。雅俗対訳語彙集である『類聚雅俗言』は、そうした研究の集大成に位置付けられるため、(1)で判明した異同を反映した語彙データベースを整備している。
(3)義門の五音相通説における契沖の影響を考察したところ、さらにその背景に悉曇学(古典サンスクリット語学)の知見があることが明らかになった。五十音図の理論は悉曇学から持ち込まれた学理であるが、契沖および義門はそれにとどまらず、複合語の分類にも悉曇学の分類を援用している。国学者が和語の複合語を分析した例は、義門の他に、同時代の富樫広蔭があるが、悉曇学との関係について指摘した先行研究は管見の限り無いため、引き続き慎重に考察を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

昨年度行えなかった資料調査を集中的に行い、資料収集と読解に時間を割くことができた。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、前年度に引き続いて資料調査を行い、考察に必要な資料を収集・整理する。
これに並行して、『山口栞』の内容分析に注力し、記述の精査と考察、論文化を進める。

Causes of Carryover

COVID-19の蔓延のため学会がオンライン化するなど、今年度も旅費が計画通り使用できなかったため。
次年度はこれまで見送ってきた資料調査を積極的に行う。

  • Research Products

    (2 results)

All 2023 2022

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] W.G.アストン『日本文語文典』初版 訳注稿(3)2023

    • Author(s)
      遠藤 佳那子
    • Journal Title

      鶴見大学紀要. 第1部, 日本語・日本文学編 = The bulletin of Tsurumi University. Pt. 1, Studies in Japanese language and literature

      Volume: 60 Pages: 左6~左32

    • DOI

      10.24791/00001306

    • Open Access
  • [Presentation] 文語訳聖書における「死ぬ」の四段活用化について2022

    • Author(s)
      遠藤 佳那子
    • Organizer
      第224回青葉ことばの会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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