2021 Fiscal Year Research-status Report
連体節と主要部名詞の関係についての統語的・意味的研究
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21K13022
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Research Institution | Nippon Bunri University |
Principal Investigator |
東寺 祐亮 日本文理大学, 工学部, 准教授 (70758656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 連体節 / 引用節 / 疑問節 / 比較相関構文 / ホド / 容認性 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 比較相関構文(VバVホド)の連体節・引用節・疑問節に関する調査 比較相関構文(VバVホド)はホドが隣接する動詞以外にも相関解釈が及ぶことがある。しかし、その相関解釈は連体節内に及ぶことはない。これまで、相関解釈を阻害する要素が連体節構造にあるということを明らかにしてきた。本研究は、これまでの研究で問題となってきた連体節と主要部名詞の関係を明らかにすることであるが、連体節と同様に解釈を阻害することが指摘されている疑問節や引用節との比較が不十分であった。そこで、2021年度は比較相関構文(VバVホド)の相関解釈が連体節・引用節・疑問節に及ばないということを、容認性アンケート調査を用いて検証した。 調査では、生成文法の分析の妥当性を検証する目的で作られたWeb上の容認性アンケート調査法のEPSAシステムを用いた。比較相関構文では8パターンの例文群、計76例を作成した。例文群は、分析が文法的であることを予測するものと、分析が非文法的であることを予測するものに分かれる。その例文の容認性判断を日本語母語話者およそ49名に依頼し、「どうしても許せない」「一応許せる」の二択で回答を収集した。調査の結果、連体節内の語についての相関解釈は37.5%が「一応許せる」と回答した。引用節内の語についての相関解釈は43.5%が「一応許せる」と回答した。疑問節内の語についての相関解釈は17.5%が「一応許せる」と回答した。調査結果では連体節・引用節・疑問節の容認性にばらつきが生じており、その要因についても今後研究の視野に入れる必要があることが明らかになった。 (2) 比較相関構文(Vホド)の連体節・引用節・疑問節に関する調査結果の公表 2019-2020年度に行った比較相関構文(Vホド)の相関解釈が連体節・引用節・疑問節に及ばないということを検証した容認性アンケート調査の結果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2021年度は研究計画で研究対象としていた節構造(連体節構造)と、他の節構造(引用節・疑問節など)を比較し、土台を確認する研究を行った。当初計画していた「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」は連体節構造の1つであり、この研究は現在進展中である。以上より、遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度の研究により、連体節構造に関する本研究は、他の節構造(引用節、疑問節)についても念頭に入れつつ研究を進めていく必要があることを確認することができた。引用節、疑問節の分析も念頭に入れつつ「主要部名詞の特性が連体節の特性になっているタイプ」の研究から順次遂行していく。
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Causes of Carryover |
令和3年度に購入を予定していたパーソナルコンピュータは、希望していた製品の購入ができなかったため次年度に購入することになった。また、調査にあたって無償の調査協力が得られたため、謝金が不要となった。旅費に関しては、出張が困難な社会状況であったため不要となった。以上の理由で、受領額が支出額を上回った。 令和4年度は、令和3年度に購入を予定していたパーソナルコンピュータの購入で使用する。また、出張が可能な社会状況になった場合に、情報収集のための学会出張で使用する。
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Research Products
(2 results)