2021 Fiscal Year Research-status Report
英語語彙学習時の文脈プライミング現象を応用した指導法の開発
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21K13068
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| Research Institution | Joetsu University of Education |
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Principal Investigator |
長谷川 佑介 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (40758538)
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| Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 英語教育 / 外国語語彙習得 / 意図的語彙学習 / プライミング効果 / イメージ方略 / オーラル・イントロダクション |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、外国語（英語）の語彙を学習する際に生じる文脈プライミング現象に着目し、より幅広い熟達度の学習者を対象とした汎用性の高い語彙学習プログラムを開発することを目的としている。文脈プライミング現象とは、語彙学習の際に読んだ例文の情報を再度提示するとその語彙の記憶が心内で活性化することを指す。この研究目的を達成するため、本年度は語彙学習プログラムの中核となる学習活動の候補を複数考案し、実際の学習指導を通して予備的な検証実践を行うとともに、文脈プライミング現象の考え方を応用した実証研究の準備を行った。学習活動の候補は、いずれも2017～2020年度に実施した研究（若手研究B，課題番号17K13496）において提案した文脈想起教示（Hasegawa, 2021b）を応用したものである。学習活動の一つ目は、実験室で実施してきた学習課題を改良して教室内の授業において実施するものである。改良のポイントとして、熟達度が中級未満の学習者は語彙学習において文脈イメージ方略を有効活用できない可能性があるため（Hasegawa, 2021a）、学習素材をさらにシンプルな形にすることを検討中である。二つ目は、英語授業における本文内容の導入方法の一つであるオーラル・イントロダクションに注目した学習活動である。本年度はその学習活動の基本形をデザインし、上越地域の小学校・中学校教員および上越教育大学の修了生・卒業生に提案して有益なフィードバックを得た。三つ目は英語教材の中に学習活動を組み込むことで教育現場における有用性をさらに高めるという試みであるが、これについてはまだ準備に着手した段階に過ぎない。学習指導要領の改訂により小学校から高校までの英語教育で指導すべき語彙数が大幅に増え、英語語彙指導法の改善は喫緊の課題となった。本研究により指導法の有効性を立証し、英語教育の改善に貢献したい。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
５年間の研究計画の１年目として、語彙学習プログラムの基盤をデザインし、従来から予定していたプランに加えて新たな方向性を見出すことができたため。特に、前年度まで実施していた研究をベースにしながら、これまで上越教育大学研究プログラムや学校現場とのコミュニケーションなどを通して蓄積してきたアイディアを合流させることができた点が有益であった。当初は２年目以降に予定していた学校教員とのやり取りも前倒して開始することができた。また、近年に発表された各種文献のうち本研究と密接にかかわるものを入手することができた。ただし、新型コロナウイルス感染症の影響により実験室での研究は遅れており、これらを総合的に勘案したところ上記の評価となった。
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| Strategy for Future Research Activity |
国内外における最新の研究成果、学校現場からのフィードバック、実験室における研究結果を踏まえて、日本の教育現場の実情に即した英語語彙指導法の開発を継続する。また、新型コロナウイルス感染症の拡大防止に細心の注意を払い、研究倫理を遵守した実証研究を実施していく。翌年度に学会における意見交換が予定されており、そこでも本研究に関連した提案に対する有益な批評を受けたいと考えている。
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| Causes of Carryover |
学会参加のための旅費が不要となったため。また、本年度に購入した物品の中に想定よりも安価で手に入れられたものがあったため。上記金額は、次年度に最新の文献を収集したり、本年度の研究成果を次年度の学会および学術誌において発表したりするために使用する予定である。
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