2021 Fiscal Year Research-status Report
Embodied Cognition and Linguistic Relativity: Investigating Perceptual Availability in Linguistic Processing
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21K13075
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
福田 純也 中央大学, 理工学部, 准教授 (20781818)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 認知言語学 / 基盤化された知識 / 言語相対論 / 心的シミュレーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトは、認知言語学(認知文法、認知意味論)や言語相対論(linguistic relativism)、基盤化された認知(grounded cognition)などの知見に基づき、実験心理学的アプローチにより日本語話者と英語話者、そして日英言語併用者のもつ概念の異なりを実証的に検証することある。文処理・読解研究の枠組みでは、文を読解することで読解者が得る「知覚的なイメージ」が、認知主体の実際の知覚と関連することを示唆してきている。この知覚的なイメージのうち本研究計画は、物語文の登場人物にシミュレートされた「視点」を調査することで、ヒトの持つ言語体系が認知様式に与える影響を探り、それを言語相対論の枠組みで考察することにより、当該分野の研究に知見を提供しようとする試みである。 初年度にあたる2021年度は、主に文献調査とそれに基づく実験の実装を目標に進めた。結果として、物語文読解課題と視点に関わる実験と、心的イメージを調査する非言語課題といった、主に2つの実験の準備(実験材の選定、実験プログラムの作成)を完遂することができた。これらの実験は、2022年度前半に実施し、得られたデータは年度中にまとめ、学術会議にて発表を行う予定である。また本年度は、本研究計画のベースとなった「意識」に関わる研究を論文として出版することができ、文献調査段階で意見交換を行った研究者らと本研究プロジェクトから派生する研究を複数行うこともできた。こちらの研究は既に学術会議での発表準備が完了しており、発表が完了次第論文としてまとめ、投稿を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度は当初より文献調査と実験準備の予定であり、進捗状況としては双方ともに問題なく完了している。また、共同研究が派生し、そちらも既にデータ分析が終了しており、学会発表に向けて準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、2021年度に準備が整った、メインとなる実験の実施と得られたデータの分析、および学術発表を中心に活動する予定である。
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Causes of Carryover |
概ね計画通り使用したが、端数分が残った。
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Research Products
(3 results)