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2021 Fiscal Year Research-status Report

日本古代王権における居住形態の再検討ー居所派生語の国際比較から―

Research Project

Project/Area Number 21K13094
Research InstitutionOchanomizu University

Principal Investigator

遠藤 みどり  お茶の水女子大学, 基幹研究院, 助教 (90623611)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords日本古代王権
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、日本古代の王権構成者(天皇・太上天皇・皇太子・皇后など)の居住形態の再検討を行い、日本古代王権構造の特質のさらなる解明を目指すものである。
本年度は、中国・朝鮮三国との王権構成者の居住形態との比較を行うため、各国の文献史料にある「後宮」「中宮」「東宮」の語の収集をし、各語の用例とその時期的変遷を明らかにした上で、各国の用例の特色を抽出し、比較検討するという計画であったが、「後宮」「中宮」の、中国と日本の比較検討を中心に進めたため、朝鮮三国の事例や「東宮」の検討までは行えなかった。
今年度の検討において、特に「中宮」について日中の比較を行った結果、中国で皇后や皇太后の居所として「中宮」が使用されたのは、「後宮」に住まうキサキたちとは異なり、皇帝の「家」の一員として、皇帝と寝食をともにしていたためで、「中宮」は皇帝の生活する空間としても利用されていたということが分かってきた。
日本において「中宮」は三后やその居所を示すだけでなく、天皇の居所としての用例もあるが、それは中国においても「中宮」が皇帝の居所の一つとして機能していたことに由来するものと考えられる。だが、日本では皇后であっても天皇と同居することはなく、「後宮」と称されたキサキ同様、宮城の外に宮を構えており、9世紀までは「中宮」の称も皇后や皇太后ではなく、皇太夫人の別称としてしか使われていない。
次年度以降さらに考察を進める必要があるが、「中宮」が皇太夫人と称されるようになったのは、日本独自の皇太夫人(=天皇生母)という、三后に比べて不安定な地位をより確かなものとするため、皇帝と一体的な意味を内包する「中宮」という語を使用したのではないかとの見通しを得ている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初予定していた朝鮮三国と「東宮」の検討ができなかったことと、コロナ禍のため出張ができず、平城京や藤原京などの現地調査ができなかったため。

Strategy for Future Research Activity

今年度行えなかった関西での現地調査、朝鮮三国・「東宮」の検討を進めるとともに、今回得られた「中宮」についての考察をさらに深めつつ、口頭報告する。

Causes of Carryover

本年度できなかった関西での現地調査を次年度に行うため。

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Published: 2022-12-28  

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