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2021 Fiscal Year Research-status Report

在華プロテスタント宣教師の太平天国認識

Research Project

Project/Area Number 21K13124
Research InstitutionDoshisha University

Principal Investigator

土肥 歩  同志社大学, 文学部, 助教 (10731870)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords宣教師 / プロテスタント / 太平天国 / 広東省
Outline of Annual Research Achievements

本年度は、以下4点について研究を進めた。
1点目に、報告者は櫻井義秀編『中国・台湾・香港の現代宗教:政教関係と宗教政策』(明石書店、2020年)についての新刊紹介を執筆し、『キリスト教史学』(第75集、2021年、139-140頁)に掲載した。同書は、現代の中国大陸・台湾・香港のキリスト教と政治の関係に着目した研究成果であり、19世紀のキリスト教伝道を理解する上でも多くの知見を得ることが出来た。
2点目として、2021年12月18日にオンラインで開催された日本華南学会大会で「民国初年の広東農村」と題して、報告を行った。この報告では、辛亥革命が広東省花県の農村社会にどのような影響を及ぼしたのかという問題意識のもと、キリスト教コミュニティの実態について各種考察を行った。花県は、太平天国の指導者である洪秀全の出身地として知られている。そのため、同地域でのキリスト教伝道事業の実態解明を通じて、本研究課題の資料読解をおこなううえでの基礎理解を得ることが出来た。
3点目に、2022年1月22日にオンラインで開催された中国女性史研究会・宋慶齢研究会共催ワークショップで「孫文と宋慶齢の「結婚」をめぐる同時代的言説」という題目で報告を行った。この報告では、20世紀に出版された孫文や宋慶齢に関する伝記や学術書を読み解き、両者の結婚(孫文の前妻との離婚や宋慶齢との結婚の法的有効性)がどのように描写されたかを分析した。孫文と宋慶齢は外国人宣教師やキリスト教会とつながり関係が深い人物であり、中国人とキリスト教の関係について理解を深めることが出来た。
4点目に、本研究課題に関するマイクロフィルム資料や文献資料の収集を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

1点目に、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行により、海外での資料調査はおろか、日本国内の図書館・研究機関での資料調査にも大きな支障が生じたためである。2021年4月の段階では、新型コロナウイルス感染症の流行が一定程度収束を見せると予測して各種研究計画を立てたが、その思惑は外れてしまった。
2点目に、新型コロナウイルス感染症によって教育活動が多忙化し、研究に割く時間が減ってしまったためである。2021年度は変異株の流行により対面授業をオンライン授業に変更する必要に迫られ、授業準備に大きな時間を割いた。また、授業映像の録画・編集・配信などの諸手続きに時間を割かざるを得なくなってしまった。
2021年度は以上2点の不安材料を克服すべく研究活動に取り組んだものの、将来への不安などで精神的・肉体的に疲弊し、集中して研究に取り組むことが出来なかったといえる。

Strategy for Future Research Activity

しかし、2021年度に得られた教訓を、2022年度の研究活動に活かすことは、十分に可能であると考えている。
1点目に、2021年度は年間を通じて、マイクロフィルムや影印版資料など、研究遂行に必要な資料を可能な範囲で収集したことである。そのため、海外への資料調査の有無にかかわらず、収集した資料を精読することで、研究を進めることは十分に可能だろう。
2点目に、大学図書館や国立国会図書館などで閲覧可能な資料を閲覧し、新たな事実を発見することが出来たことである。そのため、当初は19世紀のプロテスタント宣教師に着目していたが、20世紀に活動したプロテスタント宣教師にも考察範囲を広げることが可能となる見込みである。
これ以外にも、国内の主要な研究機関が利用者に対して、限定的ながら開放されつつあることや、本研究課題について研究者から助言を得られたこと、本研究課題についての先行研究をさらに分析したことなども、研究を進めるうえで有利に働くだろう。
総じていえば、2022年度は新型コロナウイルス感染症の流行に左右されずに、本研究課題を推進する見込みが立ちつつある。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022 2021

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] 孫文と宋慶齢の「結婚」をめぐる同時代的言説2022

    • Author(s)
      土肥歩
    • Organizer
      中国女性史研究会・宋慶齢研究会共催ワークショップ
  • [Presentation] 民国初年の広東農村2021

    • Author(s)
      土肥歩
    • Organizer
      日本華南学会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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