2021 Fiscal Year Research-status Report
中期古墳における埋葬施設構造の多様性と規範性の推移とその歴史背景
Project/Area Number |
21K13135
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 直弥 大阪大学, 人文学研究科, 助教 (70823780)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 古墳 / 埋葬施設 / 地域性と画一性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では中期古墳を構成する要素の中でも特に埋葬施設を軸として、政権中枢域である畿内、大型前方後円墳などが築かれる列島各地域を対象に、埋葬施設構造の詳細分析とその成立の背景を探ることを目的としている。初年度は新型コロナウイルスの感染拡大状況から広域移動が制限される場合も多かったため、近畿の各地域を中心に基礎資料の収集と分析、出土資料の実見調査を主に実施した。合わせて近畿の中でも発掘調査が高密度で行われている猪名川流域地域や木津川流域地域などを材料として、前・中期や中・後期の移行期における葬制展開状況のミクロな分析を進めるともに、これまであまり扱われてこなかった北河内における前・中期古墳の基礎情報の収集を行った。特に南山城の綴喜地域等においては古墳時代前期末から中期にかけての首長墳が高密度に分布しており、かつ過去出土資料の再整理も進行していることから、本研究の課題である中期的葬制秩序への移行過程を詳細にトレースできるケーススタディの場として有用である。北河内地域についても、これまで十分に様相が整理されていなかったものの、中期にかけての展開をトレースするうえで重要であり、特に重点的に検討を行っている。このほか、中期古墳における葬制を相対化するために後期の横穴式石室についても畿内の地域性の様相を整理し、古墳時代中期が葬制の地域性の表出という点で前後に対して特異な状況を呈するとの見通しを得た。前者は2022年度初めに問題提起の部分を雑誌レポートとして公表しているほか、後者についても本年中頃に論文として公表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は新型コロナウイルス感染拡大の影響もあったものの、対象が畿内であり長距離移動が不要であったため予定作業は概ね順調に進展した。次年度以降における広域比較の基礎となる部分はかたまりつつあるが、特に北河内地域などで未公表の調査原図など一部確認が必要な作業もある。
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Strategy for Future Research Activity |
近畿以外に対象を広げた資料集成と、社会状況が許せば出土資料調査、現地踏査を実施予定である。合わせて2021年度に収集した基礎情報の分析を並行して進める。
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Research Products
(2 results)