2021 Fiscal Year Research-status Report
砂浜海岸の3次元地形変化と流域特性を考慮した海岸浸食要因の解明
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21K13152
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
中田 康隆 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林業試験場, 研究職員 (10827041)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 流域管理 / 土砂管理 / 海岸侵食 / RTK-UAV / 土地利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、砂浜海岸の3次元地形変化と流域特性(上流~沿岸までの幅広い環境要因)の関係を把握するため、北海道における6流域の河口の砂浜海岸を対象に、その地形変化をUAV(ドローン)と航空機レーザデータを用いて3次元解析を実施した。具体的には、土砂量等のデータが充実している国土交通省直轄ダム流域の河口の砂浜海岸(北海道)を対象に、2021年6月から7月に位置精度の高いRTK-UAVにて空撮を実施し、3次元モデル(数値表層モデルとオルソ画像)を作成した。空撮は高度100 mで自動航行で実施し、取得した画像の位置情報は、航空機レーザデータとの差分解析を行うため、後処理補正にて絶対座標に変換し、3次元モデルの作成に用いた。6流域の河口の砂浜海岸のモデルを作成した結果、数値表層モデルの解像度は約5 cm/ピクセル、オルソ画像の解像度は約3 cm/ピクセルで作成することができた。十勝川河口の砂浜海岸を事例に、数値表層モデルと航空機レーザの標高モデルを用いた差分解析を行った結果、河口付近だけでなく、海浜やその後背の前砂丘周辺においての侵食や海浜の延長に伴う堆積傾向が読み取れた。RTK-UAVと航空機レーザデータの標高モデルの2時期の差分から3次元で地形変化を把握できることを確認した。また、次年度以降、本州、四国、九州の砂浜海岸の地形変化の調査・解析を実施するため、全国の砂浜海岸の航空機レーザデータを国土地理院より入手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画において、研究期間の5年間で、全国の30流域を対象に調査・解析を実施する予定とし、砂浜海岸の3次元地形変化と流域特性の関係の解析については、4年目以降で実施する予定としている。本年度は、当初の計画通り6流域の砂浜海岸の調査と3次元解析を実施できたことから、おおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、北海道の6流域の砂浜海岸の調査・解析を実施した。次年度以降は、本州・四国・九州を対象に年間6流域以上の砂浜海岸を対象に、UAVと航空機レーザデータを用いた地形変化の調査と解析を実施する予定である。
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Causes of Carryover |
当初、北海道外の調査を予定しており、旅費を多く計上していたが、コロナ禍の影響により北海道外の調査が実施できなかった。そのため、北海道内の調査を優先的に実施する方針に変更し、次年度以降の北海道外の出張旅費を確保するため、本年度予算の繰越を行う方針とした。
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