2021 Fiscal Year Research-status Report
ポスト冷戦期のアメリカ型世界秩序の再検討ー米・キューバ関係の実証的分析
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21K13243
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上 英明 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80779728)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | キューバ / アメリカ合衆国 / 移民問題 / 移民危機 / 米・キューバ関係 / 冷戦、ポスト冷戦 / 米州関係 / ラテンアメリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
初年次については昨今の新型コロナウイルス感染危機が継続し、十分な調査が行うことができないのではないかという懸念があったため、あらかじめ研究の目標を控えめに設定し、調査の規模を抑えていた。実際にはこの想定通りとなり、本研究に伴う予算支出はほとんど発生しなかった。 一方、在宅での研究時間が占めたこともあり、基本的には時間の多くをオンラインで入手できるものや各地の史料館から無償で提供されたものなどを中心に、冷戦後の米・キューバ関係に関連する史料の入手、整理、読解を進めてきた。 関連して、米国アーカンソー州にあるウィリアム・クリントン大統領図書館の資料については、FOIAやMandatory Review Requestなどの情報公開法に基づく請求を行っており、結果を待っている。冷戦後の大統領期に関する史料の入手は依然として難しいところがあり、感染危機による担当スタッフの業務削減などの不確定要素もあるが、どうにか最終年度までに入手できるよう、早めに手を打っている。 このほか、二次文献を読み進めるなどして、冷戦後の米・キューバの移民交渉に着目した論考を少しずつ準備している。これについては別の機会に集めていたキューバ側の外交関連史料を用いつつ、新たに米側でも入手可能になったもの、またフロリダ州の連邦議員やキューバ系団体の史料を用い、多角的な観点から移民交渉の開始、進展、挫折、そしてその遺産を分析するものである。2年次においてこの成果を発表し、フィードバックを得るなどして考察を深めていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もともと感染危機を念頭に、初年次については達成目標を控えめに設定していたため。また、在宅での研究を通じて、論考の準備がある程度進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、基本的には初年度で準備を進めていた冷戦後の米・キューバ移民交渉の論考を研究成果として発表・報告することを最優先目標とする。 その一方で、米・キューバ関係に関する他の側面や事象に関する史料について、すでに入手したものを中心に読解を進めていく。本務校のバイアウト制度の活用を模索しつつ、体調管理に努め、少しでも研究時間の確保を目指す。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染危機などで研究の見通しが立てづらかったため。
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