2021 Fiscal Year Research-status Report
Public Policy Research on Social Integration of International Migrants
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21K13246
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐伯 康考 大阪大学, 国際公共政策研究科, 特任准教授(常勤) (20780753)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国際移民 / 社会統合 / 多文化共生 / 外国人労働者 / 移民政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
自治体AにおいてNPOが実施する調査に参画するかたちで、外国にルーツを持つ児童生徒の学習支援活動の拠点となっている入学前支援機関、小学校、中学校をそれぞれ1校ずつ訪問し、各校の支援担当教諭らに対する予備インタビュー調査を実施した。単独でこうした機会を得ることは容易ではなく、外国にルーツを持つ児童生徒の教育現場を支える先生方から長時間にわたり、学習支援体制の現状と課題や、公教育におけるリソースの問題などについて話を伺うことができる大変貴重な機会となった。 同様に、日本語指導を必要とする高校生2名と中学生2名に対して、①日本語教育②来日後 の教科学習支援③進学支援などの項目について予備インタビュー調査を実施するとともに、日本語指導を必要とする児童生徒の保護者3名に対して①日本語教育②学習・進学情報へのアクセス③地域とのつながりなどについてインタビューを行った。 上記予備調査を通じて確認された日本語指導を必要とする児童生徒の多様な教育課題を整理し、初年度に重点的に行うことを計画していた先行研究もまとめ、一般社団法人日本生産管理学会関東支部と一般社団法人外国人材協議会の主催による外国人材エコシステム研究会において研究成果発表を行った(2021年9月29日)。 また今年度に実施した調査結果をふまえて執筆した「日本語教育が必要な児童生徒の教育課題」が一般社団法人自治体国際化協会多文化共生ポータルサイトに掲載された(2022年3月)。多文化社会研究会が2022年3月19日に開催した多文化共創フォーラム「外国人雇用における「ビジネスと人権」について考える」にも登壇し、本年度に実施した研究成果に基づいたコメントを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
自治体Aにおける予備調査を通じ、外国にルーツを持つ児童生徒の学習支援にかんする諸課題について分析を行うことができた。本研究課題1年目の活動を通じて関係性を構築した教育委員会関係者やNPOとの連携を重ね、ドロップアウトを防ぐための具体的な方策について検証を行うための基盤を初年度に構築することができた。 また2022年度より自治体Bの多文化共生社会推進協議会会長と自治体Cの外国人子ども支援協議会委員に就任し、外国にルーツを持つ児童生徒が多数在籍する両自治体における支援体制の構築等について指導助言と協議の取りまとめを行うこととなった。これらの活動を通じ、市民団体、教育委員会、企業などの外国にルーツを持つ児童生徒を支援している多様なアクターと意見交換を重ねることが可能となり、本研究課題を遂行するための基盤が整ったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に実施した予備調査結果と、自治体A, 自治体B,自治体Cにおける外国にルーツを持つ児童生徒の教育支援の現状と課題について整理を行い、2022年秋に学術論文への投稿を行う。 また本研究課題2年目も新型コロナウイルス感染症に関する対応のため、海外における調査研究活動への制約が続いていることから、2年目は自治体A, 自治体B,自治体Cを中心とした国内における調査を先行して行い、当初2年目に計画していた国際会議への参加については本研究課題3年目など現実的に可能なタイミングで実施する。特に、自治体Bの多文化共生社会推進協議会と、自治体Cの外国人子ども支援協議会において、市民団体、教育委員会、企業などの多様なアクターとの意見交換を重点的に行い、外国にルーツを持つ児童生徒の教育課題と有効な支援のあり方について検証を行う。 さらに、自治体Bや自治体Cにおいて様々なサポートを受けた後に高等教育へと進学した外国にルーツを持つ大学生たちへのインタビューを実施し、高校中退を防ぐとともに、高等教育への進学を含む、高校進学後の出口を広くするための方策について究明する。
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