2022 Fiscal Year Research-status Report
アメリカ統治下の沖縄における「親米派」ーグローバル冷戦の視点からの再検討
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21K13254
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Research Institution | Kansai Gaidai University |
Principal Investigator |
溝口 聡 関西外国語大学, 外国語学部, 准教授 (60781937)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 米国留学制度 / 親米派 / 沖縄占領 / 冷戦 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、戦後沖縄史を「親米派」に着目して再検討することにある。昨年度と同様、今年度も引き続き、夏季と冬季の長期休暇の時期を利用し、沖縄県公文書館や国立国会図書館本館の憲政資料室において、USCAR関連資料、アメリカ占領期の「日留」・「米留」の二つの留学制度ならびに留学生の選考に関する資料、留学生の体験記や第三者による図書や雑誌論文などの収集を行った。 今年度はまた、新型コロナウイルスの影響により、延期していたアメリカでの資料調査を再開した。具体的には今年の1月、ハワイ大学において、ダニエル・K・イノウエ文書やハワイ大学に在籍していた沖縄系二世、三世の手記や論文、邦字新聞や地元紙の沖縄関連報道に関する資料を収集し、沖縄占領期におけるハワイと沖縄の両者の文化交流についての調査を行った。 今回の資料調査ではまた、ハワイ大学のアーキビストとの情報交換を通じて、ハワイ大学だけでなく、ハワイの沖縄県人会が所蔵する資料調査も行うことが可能となった。今後もハワイ大学のアーキビストとの交流を通じて、沖縄の米国占領統治をめぐるハワイの沖縄コミュニティの動向に関する調査を継続する予定である。 なお、今回の資料調査の成果は、2023年度の国際政治学会にて、公表する予定である。今年度もまた、これまでの資料調査を元にした書籍を刊行する準備を進めており、成果の一部は2024年度に刊行される論文集の中で、公表されることになっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までは、新型コロナウィルスにより、アメリカでの資料調査と収集が行えなかったが、今年度はハワイ大学にて、ハワイの日系・沖縄系コミュニティ関連の資料調査を行った。来年度は延期していたアメリカ国立公文書館やアーカンソー州立大学での資料収集を行うことで、今年度と同様、概ね計画通りに研究を進めることが可能だと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は延期したアーカンソー州立大学で、フルブライトペーパーを中心とする資料収集を行う予定である。また、沖縄県立公文書館や和歌山市民図書館移民資料室、国立国会図書館本館の憲政資料室での調査も引き続き行い、学会発表や学術論文、書籍といった形で研究成果を公表する予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延により、夏季休暇中の海外調査ができなかったため、予算が計画通り執行できなかった。来年度は夏季から海外調査を予定しているので、次年度使用額は発生しないと考えている。
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