2022 Fiscal Year Research-status Report
屈折需要曲線の動学的展開によるマクロ経済理論の設計
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21K13262
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
村上 弘毅 中央大学, 経済学部, 准教授 (70803972)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | マクロ経済学 / ケインズ経済学 / 景気循環 / 確率微分方程式 / 経済安定性 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度におけるこの研究の主要な成果は,査読を有する学術雑誌に掲載された次の論文2編である。 1. On growth cycles in a stochastic post-Keynesian model 2. Keynesian and classical theories: static and dynamic perspectives 第1論文は,ケインズ経済学に基づくマクロ経済動学体系において,確率的攪乱のないときに継続的景気循環として生ずる唯一の極限閉軌道(リミット・サイクル)に対し,確率微分方程式で表現される確率的攪乱が与える効果を定量的に評価するものであって,かかる極限閉軌道の解,確率分布その他の性質を(近似的に)求めたものである。第2論文は,静学的及び動学的見地に基づいて,ケインズ経済学と古典派経済学における経済体系の安定性に関する相違を分析したものである。 これらの成果は,いずれも,有効需要の原理に基づく数量調整を基調とする理論体系において経済体系の安定性又は不安定性を研究したものであって,屈折需要曲線の理論を動学的に発展させ,以て動学的見地から有効需要の原理に理論的基礎を与えようとするこの研究の目的に適合するものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度におけるこの研究の成果は,屈折需要曲線の理論を動学的に発展させ,以て動学的見地から有効需要の原理に理論的基礎を与えようとするこの研究の目的に適合するものである。 しかし,この成果は,屈折需要曲線に係るミクロ経済学的基礎に関して充分な考察を行ったものではなく,かかる考察は,この研究の最終的目的を達するために必要とされるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度においては,研究計画を実施し,特に,完全予見,合理的期待その他動学的見地に基づく合理性の基準と整合するように,屈折需要曲線の理論に基礎を与える研究を行う。
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Causes of Carryover |
令和4年度において,新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い,この研究計画を変更する必要が生じた。 令和5年度においては,令和4年度までに執行する予定であった助成金も使用する。
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Research Products
(2 results)