2021 Fiscal Year Research-status Report
Proposal for a robust correction method of publication bias in meta-analysis
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21K13270
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
古川 知志雄 横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 准教授 (30897541)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | メタ分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度においては、主に二つの方向でメタ分析のプロジェクトを進めた。(1) 論文を査読付きジャーナルに投稿し、却下されてしまったものの、詳細のコメントを得た。これらのコメントを踏まえて論文を改訂するために準備を進めた。(2) また、大学で大学院生と大学生を雇用し、メタ分析の既存データセットを整理した。これらをもとにして新しい分析手法を考えるため、これらの文献についての理解を深めた。
(1) 論文の投稿について ... 論文全体の構成や、詳細の表現などについて、どのように改善をできるかコメントを審査員からもらった。これらの中には、論文に多くの内容があり、審査員が十分に理解できないというようなものも多かった。しかし、このような内容も含めて理解しやすくすることが著者の責任であり、その側面における改善と別のジャーナルへの投稿に取り組んでいる。
(2) 新しい手法の開発について ... メタ分析の領域において、プロポーザルの中では考えていなかった新しい試みに気づき、取り組んでいる。(i)メタ分析では、対象とするテーマが、一貫した位置パラメータを反映していると考えられている。しかし、分析内容の異質性があまりに大きいとき、推定された平均値をどう解釈できるか難しい。この古典的批判について、統計的な定量化を目指す。(ii)経済学の観察研究においては、どのような共変量を制御したらよいかについて選択の余地があることから、複数の推定値が論文において報告されることが多い。これらの推定値のうち、どの情報を反映させるかについて、現状の手法よりもより適切なものを提案する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
今年度は新しい授業を複数担当していたこともあり、不慣れなゼミ運営や委員会、そして自治体との協力業務もあり、十分な成果と進展を生むことができなかった。今年度はもう一度メタ分析のプロジェクトに注力し、進めていきたい。
今年度における主要な進展は以下の通りである。 (1) 横浜国立大学にて、研究に関わることに関心を持っている学部生と大学院生を複数人積極的に雇用してきた。実証研究を進めるためには、データセットを地道に整理する作業が必要であり、また学生も十分にトレーニングを受ければプログラミングを進めることができる。最初の一年間はこの取り組みを進めることができた。 (2) チェコのチャールズ大学Havranek教授が、自身が取り組んできたメタ分析のデータセットをホームページで公開しており、そこに含まれるデータセットは20以上に及ぶ。これらを全てダウンロードし整形し、どの変数を用いればよいかなどについて整理をした。 (3) メタ分析手法の改善可能性について、新しい案を2つ考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降、以下の2つに取り組んでいきたい。 (1) 他のジャーナルに再投稿できるよう論文を改訂する (2) 10月に京都大学がホストするメタ分析に関する国際学会がある。この学会のオーガナイザーも務めており、こちらに向けて発表できるように準備を進めている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で国際学会などもなく、経費があまりかからなかったため。書籍を多く購入したが、繰り越す分があった。今年以降、学生のRA雇用を継続するためにこれらの繰り越しを活かしたい。
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