2022 Fiscal Year Research-status Report
クロスセクション間の相関や異質性を考慮した構造変化分析手法の構築
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21K13272
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山崎 大輔 九州大学, 経済学研究院, 准教授 (40802228)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 構造変化 / パネルデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
[1] (パネルデータモデルにおける構造変化に関する研究)パネルデータモデルにおいて構造変化の検定を行う際には、クロスセクション間の相関を考慮する必要がある。先行研究においては、ファクターモデルや空間自己相関モデルなどを用いて相関構造を定式化した上でこの問題に対処している。しかし、実際の相関構造は未知であり、既存の定式化の方法が妥当でない場合には、検定のパフォーマンスが悪くなってしまう。そこで本研究では、クロスセクション間の相関構造についての仮定を緩めて、さまざまな相関構造に対して頑健な検定方法を構築した。具体的にはVogelsang (2012)などの方法に基づいて漸近理論を構築した上で、クロスセクション間の相関や異質性を考慮した検定方法を提案している。シミュレーションを行った結果、優れた有限標本特性を持つことが確認されている。なお、今年度中に本研究の基礎的なところは仕上がっており、来年度の学会発表・論文投稿に向けて準備を進めているところである。
[2] (携帯電話普及率の構造変化点分析に関する実証研究)昨年度から継続して行っている構造変化に関する実証研究(世界各国・地域の携帯電話普及率の加速開始期の特定)の成果については、査読付き学術雑誌『社会情報学』に掲載された。この研究の成果により、既存の研究では不明確であった携帯電話普及の時期区分が明確になり、社会情報学の分野に大きく貢献したと考えられる。なお、このテーマに関連した実証研究については、来年度以降も引き続き行っていくことを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究テーマ[1]の研究については、今年度で基礎的な研究を行うことが出来、来年度の学会発表・論文投稿に向けて準備を進めている段階である。また、研究テーマ[2]の実証研究については、今年度に査読付き論文が刊行され、また来年度以降も引き続き実証研究を継続していく見込みができている。以上の理由から、研究はおおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、パネルデータにおける構造変化の理論研究を重点的に行い、これと並行して経済データを用いた実証分析も行っていく。
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