2021 Fiscal Year Research-status Report
Climate Change and Corporate Actions
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21K13282
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 恵美子 京都大学, 白眉センター, 特定准教授 (20710528)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気候変動対応 / イノベーション / 環境政策・規制 |
Outline of Annual Research Achievements |
気候変動は、国際的に取り組むべき喫緊の課題である。世界中で気候変動に起因する自然災害が多発して甚大な被害をもたらしており、迅速な対応が求められている。このグローバルな問題の解決もしくは状況緩和のためには、各国政府の協力に加えて、個々の企業の役割も重要になっている。このような流れの中で、企業は気候変動のリスク等を認識して経営戦略に織り込み、積極的に対応していくことが求められており、近年、気候変動に関する対策を具体的に情報開示する企業は実際に増えている。ただし、その取り組みを促進するメカニズムは、これまで定量的に十分に明らかにされていない。そこで、本研究では、何が契機となって、企業は気候変動への対応に積極的になるのかを探り、対応を促進する要因を実証的に検証する。国連気候変動枠組条約第21回締約国会議で採択された2020年以降の気候変動に関する国際的枠組であるパリ協定の長期目標や2050年カーボンニュートラルを実現するためにも、気候変動対応を促進するメカニズムを考察することは意義がある。本研究を進めるために、まず当該年度では、気候変動対応に関する質問票への回答を纏めた企業レベルのデータを用いて、企業の気候変動への対応度合いを定量的に計測した。このデータからは加工されていない企業の回答を知ることができ、気候変動への対応度合いをより客観的に捉えることができる。さらに、このデータを活用することで、2015年に採択されたパリ協定の前後での企業の姿勢についても分析できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記の区分を選択した理由は、実施計画の通り、予定していた分析を実施することができ、順調に研究が進んでいるからである。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策については、実施計画の通り、企業の気候変動対応にとって契機と考えられる要因について、複数のデータベースを活用して変数を作成していく。それらを用いて独自のパネルデータセットを完成させ、要因が企業の気候変動対応に与える影響を定量的に検証する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、新型コロナウイルス感染症の影響により、予定していた海外への渡航ができなかったためである。次年度以降の旅費などに使用する予定である。
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Research Products
(3 results)