2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13284
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
北村 周平 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任准教授(常勤) (90812090)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 気候変動 / 経済発展 / 因果推論 / 歴史データ / GISデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ユニークな歴史・地理データを用いた実証研究を通じて、気候変動がどのようなメカニズムで経済発展に影響を及ぼすかを明らかにする。とりわけ、気候変動が「国家間の争い」と「時代ごとの活力」を介して経済発展に及ぼす影響に着目する。 2021年度は、主に研究環境の整備とデータの収集・整備を行ったが、加えて、実証分析、論文執筆、研究報告も行った。まず、計画通り、欧州国家の詳細な形状の変遷を追うことのできるGISデータを購入した。加えて、科研費プロジェクト(18K12768)から構築を進めてきた戦闘データをさらに精緻化し、World Historical Battles Databaseとして公開した(Kitamura 2022)。成果をSNSを使って公表したところ大きな反響があった。その後、欧米の主要大学の研究者を中心に多くの問い合わせがあり、国際交流が進んだ。また、同データを用いて、歴史的な「国家間の争い」と、欧州の首都の位置や国家の形状の関係を分析し、その結果をワーキング・ペーパーとしてまとめ、公開した(国際共同研究、Kitamura and Lagerlof 2021)。こちらもSNSを使って公表したところ反響があった。これらの研究成果は、2021年度中にすでに3つの学会・研究会で報告したが(学会発表1、2、3)、2022年度中にも複数の学会・研究会で報告することが予定されている。さらに、気候変動と「時代ごとの活力」の関係についても試験的な解析を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度の実施計画は、主に研究環境の整備とデータの収集・整備であったが、その計画はおおむね達成された。加えて、構築した戦闘データを用いて、歴史的な「国家間の争い」と、欧州の首都の位置や国家の形状の関係を分析し、結果をワーキング・ペーパーとしてまとめ、公開し、学会・研究会で報告した。さらに、計画通り、気候変動と「時代ごとの活力」の関係についても試験的な解析を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、計画通り、気候変動と「時代ごとの活力」の関係についての分析を進め、ワーキング・ペーパー化することを目指す。また、計画通り、気候変動と「国家間の争い」の関係についても試験的な解析を行う。これらと並行して、Kitamura and Lagerlof (2021)の学会・研究会報告と改訂を進め、国際学術誌への投稿を目指す。
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Causes of Carryover |
主に研究報告会がオンラインで行われたため。学会・研究会で報告する際の旅費として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)