2023 Fiscal Year Research-status Report
Formation of a hierarchical flight network and air transportation policy that takes into account the interaction between the layers
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21K13302
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
森本 裕 甲南大学, 経済学部, 准教授 (70784057)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 空港 / 航空会社 / 航空ネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
国土交通省航空局より提供を受けた、航空旅客動態調査のマイクロデータを用いて、旅客の経路選択の分析を行った。具体的には、日本国内の直行便がない空港間を移動するとき、乗り継ぎ空港としてどの空港が選ばれるかを分析した。
北海道・東北地方と沖縄・九州・四国の間には直行便がないことが多く、この地域間を移動するためには、羽田空港・中部空港・伊丹空港といった空港を経由する必要がある。経由空港を決めるにあたって、どのような要因が重要であるかを検証した。離散選択モデルであるロジットモデルを用いてデータを分析したところ、便数・運賃が大きな影響力を持つことが分かった。また、年齢・性別などの個人属性が経由空港の選択に関連しているかについては分析を進めているところである。
本研究を進めるにあたっての工夫として、「総飛行距離」を説明変数に加えていることがある。これは先行研究ではあまり考慮されていない点であるが、経由空港を選択するにあたっては移動時間を節約するために、総飛行距離が短くなるよう意思決定することが考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「研究実績の概要」で記載の通り、マイクロデータを用いた経由空港の選択についての分析を行っているが、分析上の課題が生じている。
直行便があるものの、一日1便しかない空港ペアの扱いである。一日に1便しかない路線では、直行便の出発時間に予定が合わない旅客は経由便を利用することになる。実際、那覇-新千歳の路線においては、直行便ではなく、羽田・中部・伊丹といった空港を経由して目的地に向かう旅客が存在する。
このような路線では直行便ではなく経由便を利用する旅客が存在することになるが、これらの空港ペアや旅客を分析に含めるかどうかが問題となっている。仮に含めることにするならば、一日に何便の空港ペアまでを含めることにするかという線引きが課題となる。
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Strategy for Future Research Activity |
「現在までの進捗状況」で記載した課題については、まずは、直行便がない路線のみで分析を進めることとする。そのうえで、「一日に1便の路線を加えたデータ」や「一日に2便の路線を加えたデータ」でも同様の分析を行い、どの結果が最も信頼性が高いかを評価することとしたい。
加えて、個人属性が持つ効果についての分析も進めたい。例えば、旅行目的が「ビジネス」と「余暇」を比較することを予定している。先行研究においても、ビジネスと余暇では異なる旅客行動がみられることが多く、興味深い観点である。
また、個人属性によって行動が異なることが明らかになれば、空港にとってマーケティング上の示唆を得ることにもつながる。
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Causes of Carryover |
有料のデータを民間企業から購入する予定であったが、無償で手に入る国土交通省のデータを研究に使用したため。
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