2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K13321
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 孝洋 東京大学, 大学院公共政策学連携研究部・教育部, 特任講師 (60897495)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 国債 / 債券市場 / アセット・プライシング / 期待 |
Outline of Annual Research Achievements |
金融研究において、国債を中心とする債券市場は現在、もっとも活発に研究がなされている分野である。その背景には、日銀がイールドカーブ・コントロールなど新しい金融政策を実施しているなど、各国において新しい政策がとられていることなどが挙げられる。特に、日本の債券市場における研究蓄積は相対的に少なく、本研究は日本の金融市場を考えるうえで重要と考える。 2021年度の実績については、まず、債券デリバティブの論文をFinancial Research LetterとInternational Review of Economics & Financeという2つの単著論文を海外の学術誌(査読あり)に掲載することができた。次に、筆者は日本の債券市場や日銀の金融政策の効果についてすでに論文を仕上げており、この論文については既に海外のジャーナルから要求が来ている。現在、共同研究者とレフェリーのコメントをうけて修正を重ねているが、年内に修正した論文をジャーナルに再投稿する予定であり、上手くいけば今年中に論文を学術誌に出版できる可能性が生まれている。次に、2021年度に新たに作成した論文については、国債の入札や債券のデリバティブ、コロナ禍が金融市場に与えた影響をテーマとしたワーキングペーパーを3本仕上げることができた。これらの論文は2021年度、複数回、学会や大学などで発表を行ったほか、今年度、すでに査読がついた海外の学会における発表の機会を得ており、一定の成果が出始めている段階である。特に、国債入札の論文については既に海外へのジャーナルへの投稿を開始しており、来年・再来年における出版を目指している。これらの論文は学会などのコメントを受けて修正する予定であるが、今年、海外のジャーナルに投稿することを目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進展している理由として次の4点が挙げられる。第一に、英文査読誌に2本の単著論文を掲載することができた。第二に、2021年度に二つの論文について英文査読誌から改定要求が来ており、今年度に一定程度の論文を出版できる可能性が出てきている点である。現在、今年度、学術誌に掲載することをめざすべく、これらの論文についてはレフェリーのコメントを受けて修正し、年内に再投稿する予定である。第三に、国債の入札や債券デリバティブ、コロナ禍が金融市場に与えた影響をテーマとした論文をワーキングペーパーとリリースすることができた点である。特に国債の入札の論文については学会や大学で複数回発表できた。この論文は学会等でのコメントを受け修正したうえで現在、ジャーナルに投稿している状況である。また、コロナ禍の影響の論文は海外の学会で発表予定であり、一定の成果が出ているといえる。第四に、既存研究を発展した論文の分析の着手がスタートしており、来年、新しい論文をリリースできる見込みである点である。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは現在改定要求が来ている論文について着実に出版ができるように研究を進めている。共著者とも定期的に打ち合わせをしており、年内に再投稿できるよう準備を進めている。また、既存の研究についてはセミナーやジャーナルへの投稿を積極的に行っている。現時点で、海外の学会などの発表機会が得られている。今後、プレゼンテーションするなどして多くの学者からコメントをもらい、論文をブラッシュアップし、海外のジャーナルに投稿する予定である。
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Research Products
(7 results)