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2021 Fiscal Year Research-status Report

対境担当者間の協働を促進する統合装置と企業メッセージの関係に関する研究

Research Project

Project/Area Number 21K13340
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

須田 比奈子  北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 研究院研究員 (90778424)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords対境担当者 / ステークホルダー・マネジメント / 分化と統合 / 調整メカニズム / 組織認識論
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、日本企業の環境適応について、組織と環境を連結する対境担当者の役割、および、組織内に存在する複数の対境担当者間の協働を促進するための統合装置に着目し、組織内部に踏み込んだ調査と各企業が一般に公開しているデータの分析を通して、統合装置の実体とその有効性、ならびにその統合装置が企業の公式メッセージに及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。
初年度の2021年度は、理論研究として、組織と環境 (ステークホルダー) とのコミュニケーション、部門間の協働、組織過程の「統合」プロセスに関する議論に焦点をあてて、文献の調査を行った。まず、既存研究で解決されていない課題として、以下のことが明らかになった。
①組織外部から取り込まれた情報を組織内で循環させ、組織の意思決定につなげるというプロセスと、対境担当者の役割を関連付けた議論が十分に行われていない。②組織の分化(部門間で志向性に差異が生じること)が対境担当者の活動ならびに組織的対応に及ぼす影響についてもさらに調査・分析する必要がある。③「統合」の2つの意味 (部門間の志向性の差異を “小さくする”ことと “調整する”こと) を明確に区別し、それぞれの目的に適した統合装置に着目する必要がある。
また、これらの問題に対して、対境担当者の組織内外におけるコミュニケーション活動を情報伝達ではなく意味伝達と捉えることにより解決の糸口が見つかる可能性があるという発見があった。
これらの知見を踏まえて仮説を導出し、第1回調査の準備を進めている。
また、上記の文献調査と並行して調査対象企業の選定を行った。具体的には、過去10年間に収集・分析したデータを精査し、特徴的な結果が得られた企業群の中から、質問票/聞き取り調査の実施が可能な日本企業の絞り込みを行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルスの感染拡大と家庭の事情により、初年度の後半に研究環境が大きく変化したため、研究に遅れが生じている。
上記のとおり、理論研究と調査対象企業の選定は当初計画どおり達成できた。一方、初年度後半には第1回目の調査を実施して、各企業における対境担当者とステークホルダーとのコミュニケーション方法、組織内におけるステークホルダーに関する情報の共有方法とその変化を考察する予定であったが、新しい研究環境への移行の準備と整備に時間を要したため、初年度での実施を断念した。この調査は、文献調査で得られた知見を踏まえて若干の修正を加え、次年度の2022年度に実施する。

Strategy for Future Research Activity

研究第2年度である2022年度は、まず、上記の組織内部に踏み込んだ調査を実施し、あわせて、各企業におけるコミュニケーションのデジタル化の進展の程度と有効性についても考察する。
また、当初の計画どおり、対象企業が一般に公開しているデータを収集・整理し、組織特性、組織成果、企業メッセージを分析する。具体的には、有価証券報告書、CSRレポート、ニュースリリース、人事情報、組織改編関連情報、企業情報 (事業内容、歴史、組織文化ほか) などのデータを利用して、統計的手法と計量テキスト分析の手法を用いて定量的に分析することにより、①各企業のトップ・マネジメントが知覚する環境の不確実性、②組織価値観、③公式メッセージのクオリティの変化、各変数間の関係を明らかにする。
上記の結果を基に、各企業で採用されている統合装置とその有効性について考察を深めていく。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた主な理由は、新型コロナウイルスの感染拡大により、参加を予定していた学会がオンラインで開催されたことや、情報収集・打ち合わせを電子メールやビデオ会議ツールを利用して実施したことにより、旅費交通費、人件費が不要となったためである。一方、研究環境の変化により、新たに備品を調達する必要が生じたため物品費が増額となり、最終的に372,150円の次年度使用額が生じた。
使用計画として、本研究を推進するために2022年度より研究協力・支援を依頼する研究協力者に係る費用、ならびに企業調査、国際会議参加費を含む成果発表に係る費用に充当する予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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