2021 Fiscal Year Research-status Report
非市場戦略を実行するインスティテューショナル・アントレプレナー
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21K13348
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
永里 賢治 兵庫県立大学, 国際商経学部, 准教授 (60847507)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 制度的企業家 / 非市場戦略 / ルール形成 |
Outline of Annual Research Achievements |
企業が非市場戦略を遂行するためには、制度的企業家(インスティテューショナル・アントレプレナー)の役割が重要である。制度的企業家とは「新たな制度の創造ないし既存の制度を変革するために資源を使う主体」または「既存のフィールド上の制度を破壊し、既存の制度を変容させ、新しい制度を生み出すような変化をもたらす変革プレイヤー」と定義されている。本研究では制度派組織論における理論の積み上げを念頭に置き、制度的企業家(個人)の動機やモチベーションが何から生じるのかを解明し、非市場戦略を遂行する時のメカニズムや成功要因に関して一般化や体系化を行い、最終的には理論化を行うことを目的としている。初年度は先行研究のレビューを行いながら、色々な事例を当たることで、新しい仮説を提示することを念頭に置いて活動を行った。欧州の化学産業を対象とした事例で、制度的企業家が存在し、ユニークな役割が観察されたので、国内のセミナー(サマースクール:一橋大学イノベーション研究センター)で発表を行った。またそのことが貿易に対しても多大な影響を及ぼしていることが分かり、それについても国内の学会(日本貿易学会)で発表を行った。それらをまとめた成果を国際学会に投稿し、2回の査読が通り、今夏に発表する予定である。まだまだ理論的な積み上げには程遠いが、ユニークな事例を当たることで、新しい仮説を提示出来るように、引き続き研究を継続していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まずは先行研究のレビューを行いながら、色々な事例を当たることで、新しい仮説を提示することを念頭に置いて活動を行った。化学産業を対象とした事例で、制度的企業家が存在し、ユニークな役割が観察されたので、国内のセミナー(サマースクール:一橋大学イノベーション研究センター)で発表を行った。またそれが貿易に対しても多大な影響を及ぼしていることが分かり、それについても国内の学会(日本貿易学会)で発表を行った。それらをまとめた成果を国際学会(査読付)に投稿し、今夏に発表する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は国際学会での発表を行い、色々な研究者と意見交換を行いたい。また国内及び海外(欧州など)に出張し、当事者へのインタビュー等を通じて事例の深掘りを行うことで、更なる知見や示唆を得たいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響で、出張(企業や業界団体へのヒアリング、研究者との意見交換、など)がほとんど出来なかったため。
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Research Products
(2 results)