2021 Fiscal Year Research-status Report
大学在学中のインターンシップ経験が入社後の組織適応に及ぼす影響の実証研究
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21K13353
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Research Institution | Tama University |
Principal Investigator |
初見 康行 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (50737286)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インターンシップ / キャリア探索 / 就業体験 / 組織適応 / 大学生 / 若手社会人 |
Outline of Annual Research Achievements |
大学生のインターンシップ活動について、2021年度の調査から得られた知見は大きく3つある。第1に、オンライン・対面というインターンシップの「提供手段」が、インターンシップの効果に影響を及ぼす可能性は「低い」という点である。定量調査の結果、オンライン・対面によって、「インターンシップの満足・納得感」、「志望度の向上」、「教育効果」等に有意な差があることが確認された。しかしながら、平均値の差の大きさを示す効果量(Cohen's d)は0.12から0.21と極めて小さい。また、重回帰分析においても、提供手段による一貫した効果は確認されなかった。以上の結果から、オンライン・対面というインターンシップの手段によってインターンシップの効果が決まる可能性は低いことが推測される。 第2に、インターンシップの効果を向上させるためには、「事前学習」よりも「事後学習」の方が重要である可能性が確認された。具体的には、インターンシップ終了後の振り返り・フィードバックの充実が、「志望度の向上」や「適職の発見感」に強く影響を及ぼすことが確認された。また、フィードバックの合計時間が30分を超えると、事後学習の満足度が高まる傾向が確認された。インターンシップの効果を高めるためには、インターンシップ終了後の「後工程」を丁寧に行うことが重要であることが示唆される。 第3に、インターンシッププログラムを通した「働く人・社風の知覚」がインターンシップ全体の満足感や納得感に有意な影響を与えていることが確認された。影響力の大きさを示す標準化係数β値は「内容理解」よりも大きく、インターンシッププログラムを通して、働いている人たちの雰囲気や社風・文化を感じられることが学生にとって重要であることが確認された。今後は、このようなインターンシップ経験や効果が、社会人としての活躍にどのような影響を及ぼすのかについて分析していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響はありつつも、予定通り定量調査を実施することができた。また、大学生の就職支援情報サイトを運営する企業とも協力関係を築くことが出来た。今後も円滑に研究が進むように尽力していく。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度も引き続き定量調査を実施していく。本年度は特に2022年3月に卒業した学生に対して追跡調査を行い、インターンシップ経験が社会人としての活躍にどのような影響を与えるのかを分析していく。
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Causes of Carryover |
定量調査を実施した結果、当初予定と22万6,164円の差額が生じた。本助成金については、次年度の定量調査に使用していく予定である。
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Research Products
(1 results)