2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
21K13370
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
蒋 博文 近畿大学, 経営学部, 准教授 (10839583)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | UGC / デジタル・プラットフォーム / コンテンツ・ビジネス / ライトノベル / ピア・プロダクション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではコンバージェンス文化(convergence culture)理論の枠組みから、デジタルプラットフォーム上のユーザー生成コンテンツ(UGC)における「オンライン形成」と「市場販売」という異なる文脈の同時進行プロセスに注目し、それらが消費者行動に与える影響を定量的に検証した。具体的には長編ネット小説の継続的なコンテンツ更新と出版に際するストーリーの改編が、販売部数とウェブトラフィックにどのように影響するかを分析した。また、本研究はデジタル化が進展するクリエイティブ産業において、そのビジネスモデル、制作、配布戦略に関する洞察を深め、参加型文化とデジタルプラットフォームの統合がもたらす変化に対して具体的な示唆をもたらすことができた。 分析結果として、「オンラインコンテンツ形成」と「市場販売」の同時進行プロセスは、その構造こそフリーミアム戦略と非常に相似しているが、後者の知見を必ずしも援用できないことが検証された。むしろコンバージェンス・カルチャーの議論にあるように、異なるプラットフォームにおける「生成」と「販売」のステップが「融合」することで、生きたコンテンツとしての競争力が強化されることが分かった。 本研究の成果は日本情報経営学会関西部会(2024年4月13日)にて報告され、また日本情報経営学会全国大会(2024年6月8日)でも報告予定となっている(申請受理済み)。論文は現在作成中であり、年内までには査読ジャーナルの投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補完データを用いた追加分析などを今後実施する可能性は依然としてあるが、少なくとも本研究にて当初予定されていたメインのリサーチクエスチョンに関する定量的な検証プロセスは既に完了しており、アウトプットも計画通り進展している。全国大会報告を通してフィードバックを得て微修正を行い、論文として完成させ、査読ジャーナルへの投稿を残すのみである。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の成果は日本情報経営学会関西部会(2024年4月13日)にて報告され、また日本情報経営学会全国大会(2024年6月8日)でも報告予定となっている(申請受理済み)。補完データを用いた追加分析などを今後実施する可能性はあるが、主要な研究成果に関する論文は現在作成中であり、年内までには査読ジャーナルの投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
補完データ(定性・定量の両方を含む)を用いた追加分析などを今後実施する可能性があり、次年度使用額はその場合のデータ・機器購入予算として確保されている。 また複数の学会報告・研究会報告を予定しているため、その際の旅費としても確保されている。
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