2023 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるガバナンス改革がコーポレート・ガバナンスと企業価値に与えた影響
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21K13378
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
月岡 靖智 関西学院大学, 商学部, 准教授 (50736709)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ガバナンス改革 / コーポレート・ガバナンス / スチュワードシップ・コード / ガバナンス・コード / 会社法改正 / 議決権行使 / 買収防衛策 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は、これまでの研究成果を論文として出版するとともに、研究報告を行っている。以下をスチュワードシップ・コード関連と社外取締役関連にまとめている。 【スチュワードシップ・コード関連】 令和5年度に出版した論文の1つにおいて、日本版スチュワードシップ・コードの改訂と再改訂によって内容にどのような変化があったかを明らかにし、コードが資産保有者としてのアセットオーナーと資産を受託し資産運用を行うアセットマネージャーの関係に与えた影響について論じた。また、研究報告では、日本版スチュワードシップ・コードの導入・改訂前と比較して、コード導入後と改訂後にコードを受け入れているアセットマネージャーの持ち株比率が高い企業ほど、買収防衛策を有していない傾向にあることを明らかにしている。コードを受け入れているアセットマネージャーの持ち株比率が高い企業ほど、新規の買収防衛策導入の可能性が低く、買収防衛策を廃止する(継続しない)可能性が高くなることを発見している。 【社外取締役導入関連】 令和5年度に出版したもう1つの論文においては、社外取締役の導入が企業のパフォーマンスとガバンスに与えた影響を検証している。具体的には、2014年6月の会社法改正から2015年の会社法施行までの期間に初めて社外取締役を半強制的に導入した企業をトリートメントサンプルとし、トリートメントサンプル以外の企業から選んだコントロールサンプルとの差の差の分析を行っている。検証結果は、日本における社外取締役導入促進が収益性の改善には貢献したが、ガバナンスと企業価値の向上をもたらさなかったことを示している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までのところ研究成果を論文としてまとめるとともに、国際学会等での研究報告をいくつか行ってきている。ただし、論文の出版という点では、現状満足いく結果を残せていない。残りの期間で、進めている研究成果をまとめた論文の海外ジャーナルへの掲載に努める。
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Strategy for Future Research Activity |
近年、責任投資(PRI)やESG投資が注目をあつめている。年金基金等のアセットオーナーの中には、PRIに署名したりESG活動や投資に関しての取り組みを積極的に行っているところもある。日本版スチュワードシップ・コードを受け入れているアセットオーナーとアセットマネージャーの多くが上述のPRIに署名やESG活動に関しても積極的であり、日本版スチュワードシップ・コードの導入・改訂前後によって、彼らが企業のESGパフォーマンスに与えた影響を検証している。 加えて、2017年の日本版スチュワードシップ・コード改訂によって公表されるようになった個別議決権行使結果を用いて、公表機関投資家の属性である規模やパッシブ運用の比率等が彼らの議決権行使行動に与える影響を検証している。個別議決権行使結果と議決権助言会社の助言の一致度合いに関しても分析を進めている。 上記の研究をまとめた論文の投稿準備を進めており、今年度中の掲載を目指している。
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Causes of Carryover |
購入予定データの納品時期のずれ込みと他の業務との兼ね合いで海外出張を見送ったこと、PC関連機器等の購入費用を他の予算からの支出で賄ったため多くの次年度繰越金が生じている。繰越金はデータの購入と出張旅費として使用予定である。
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Research Products
(3 results)